ダンベルフライは何キロから? 解説サイトで目安が2倍違う理由と、肘を下ろす深さ

ダンベルフライで最初に決めるのは重量です。ただし当サイトは「何kgから」という数値を出しません。 解説サイトの目安は互いに2倍近く食い違い、いずれも出典がないためです。手元で最も軽いダンベルから始め、12〜15回で限界が来る位置を実測してください。肘の角度を固定したまま腕を開く種目なので、プレス系と同じ重量では扱いにくくなります。

そのうえで押さえるのは2つです。肘は軽く曲げた角度で固定する肘が肩の高さより下がる深さまで下ろさない

なお、「初心者は◯kg」という早見表は多く流通していますが、上位の解説サイトを並べると数値が2倍近く食い違っています。 実際に何を見て決めればよいのかを、先に整理します。

目次

1. ダンベルフライは何キロから始めるか

1-1. 解説サイトの目安は一致していません

上位の解説記事5件を調査した結果(2026年8月時点)、初心者向けの重量目安は次のようにばらついていました。

スクロールできます
出所初心者男性初心者女性中級者以上
上位記事A4〜6kg2〜4kg記載なし
上位記事B5〜10kg3〜10kg10〜20kg
上位記事C「最大筋力の70%=15回できる重量」(kg表記なし)同左同左
上位記事D・E記載なし記載なし記載なし

下限で1.25倍、上限で1.67倍の開きがあります。 そしていずれの記事も、その数値の出所を示していません。 体重や性別から適正重量を割り出せる、学術的な検証を経た基準は当サイトでも確認できていません。

これは「どのサイトが間違っている」という話ではなく、kgという単位で万人向けの正解を出すこと自体が成立していないということです。

1-2. だから回数から決めます

当サイトも「何kgから」という数値は出しません。 上の表で「出典がない」と指摘した数値と同じ性質のものを、当サイトが出す根拠もないためです。代わりに、手元にある最も軽いダンベルから始めて、12〜15回でギリギリ限界が来る重量を探してください。

判断の材料になるのは、動作の構造です。ダンベルフライは肘の角度を固定したまま腕を開くため、ダンベルと肩関節の距離が、肘を曲げて押すプレス系より長くなります。 同じ重さでも肩にかかるモーメント(回転させようとする力)はフライのほうが大きくなります。

この説明の位置づけ

てこの距離が長くなるという構造の説明は、力学的な理解として述べたものです。ダンベルフライとダンベルプレスで扱える重量の比率を実測した研究は、当サイトでは確認できていません。 「プレスの何割」という数値目安を当サイトが出せないのはこのためです。プレス系と同じ重量では扱いにくいことが多いという点までにとどめてください。

RM(Repetition Maximum)とは、フォームを保ったまま挙げられる限界の回数です。アメリカスポーツ医学会(ACSM)の2009年版ポジションスタンドでは、経験レベルの定義と負荷が次のように示されています。

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経験レベル原典での定義推奨される負荷頻度
Novice(初心者)レジスタンストレーニングの経験がない、または数年間トレーニングしていない8〜12RM週2〜3回
Intermediate(中級者)継続的なレジスタンストレーニング経験が約6か月1〜12RMを周期的に変化させる週3〜4回
Advanced(上級者)数年のレジスタンストレーニング経験がある1〜12RMを周期化し、1〜6RMを重視週4〜5回

出典:American College of Sports Medicine「Progression Models in Resistance Training for Healthy Adults」Med Sci Sports Exerc, 41(3), 687–708, 2009年(PubMed PMID 19204579

この表の読み方

上表はACSM 2009年版の記載です(負荷量の現行版は後述の2026年版)。Intermediateの「約6か月」は原文が “approximately 6 months” であり、厳密な閾値ではありません。 また負荷・頻度はレジスタンストレーニング全般に対する原則で、ダンベルフライ専用の基準ではありません。頻度もトレーニング全体に対する推奨です。原典自身が「これらの推奨は文脈のなかで適用され、個人の目標・身体能力・トレーニング状態に依存する」と明記しています。

ダンベルフライでは、この範囲の上寄り(12〜15回)から始めるほうが扱いやすいはずです。 重くすると、まず「肘を曲げてプレスの動作に変わる」「反動で振り上げる」という形で崩れます。ただし、ダンベルフライを対象に回数を比較した研究があるわけではありません。

2. やり方

  1. スタートポジションを作る: ベンチに座った状態でダンベルを太ももに乗せ、膝で押し上げる勢いを使いながら仰向けになります(オンザニー)。座位から寝ながらダンベルを持ち上げようとすると、肩に無理がかかります。
  2. 胸を張る: 肩甲骨を寄せて背中でベンチを押し、胸を張った状態を作ります。この形を動作中ずっと保ちます。
  3. 肘の角度を決める: ダンベルを胸の上で向かい合わせに構え、肘を軽く曲げます。 この角度を最後まで変えません。伸ばしきると肩の負担が増え、深く曲げるとプレスの動作になります。
  4. 開く: 弧を描くように腕を左右へ開きます。開くのは「胸が伸ばされる感覚が出るところまで」で、肘が肩の高さより下がる深さまでは下ろしません(理由は次節)。
  5. 閉じる: 同じ軌道で戻します。ダンベルどうしを上でぶつけません。腕を垂直に立てきる前に折り返して構いません。
  6. 呼吸: 開くときに吸い、閉じるときに吐きます。息を止め続けないでください。

フォームが崩れていないかの確認ポイント

チェック項目崩れているサイン
肘の角度動作中に曲がる角度が変わっている(プレスになっている)
下ろす深さ肘が肩の高さより深く下がっている
肩が前に出て、ベンチから浮いている
軌道弧ではなく直線的に上下している
反動下でバウンドさせて切り返している
首・頭頭を持ち上げてダンベルを見ている

セット最初の1回ではなく、最後の1〜2回で確認してください。

3. 肘をどこまで下ろすか

この種目でいちばん判断が必要なのがここです。

ダンベルフライでは、腕を開いた位置で肩関節が外側にひねられ、開かれた状態(外転・外旋位)になります。そこに荷重がかかるため、下ろすほど「胸のストレッチ感」は強くなりますが、肩関節にとっては余裕の少ない位置に入っていきます。

上位記事のうち1件が「肘を深く下ろすのはNG」として章を立てていますが、出典は示されていません。 ダンベルフライの下ろす深さと肩関節の負荷を測定した研究を、当サイトでも確認できていません。

そのため断定的な角度は示しませんが、次の基準は実務上そのまま使える場合があります。

  • 上腕が床と平行になるあたり(肘が肩の高さ)を目安に止める。 それより深く下げても、胸の張力より肩の関節にかかる比重が増えていきます。
  • 可動域の広さで勝とうとしない。 深く下ろすほど効くとは限らず、下ろした位置で扱える重量が上限を決めることになります。
  • 肩の前側に痛みや引っかかりを感じる深さには入れない。 これはフォームの目標ではなく、その場で止める合図です。

肩の痛みや違和感が続く場合は、自己判断でトレーニングを継続せず、整形外科などの医療機関や専門家への確認が必要な場合があります。 本記事は一般的な情報提供であり、個別の症状に対する診断や治療方針を示すものではありません。

肩の痛み自体は珍しくありません。肩峰下インピンジメント症候群は、スポーツ活動における肩の痛みの原因の44〜65%を占めるとされています(大庭有希也, Strength & Conditioning Journal Japan, 31巻4号, 2024年)。これはダンベルフライという種目の危険性を示すデータではありませんが、肩の症状を「そのうち治る」と扱わない理由にはなります。

4. 回数・セット数・頻度

  • 回数: 12〜15回で限界が来る重量から。慣れてきたら8〜12回側に寄せます
  • セット数: 2〜3セット
  • 頻度: 週2〜3回

セット間の休憩

上位記事では「約1分」と「目的別に1〜3分」という食い違う記述が並んでいますが、いずれも根拠は示されていません。この食い違いは、目的別の処方を並べれば説明がつきます。

ACSM 2009年版は目的別に筋力(Intermediate〜Advanced)3〜5分/筋肥大1〜2分/パワー3〜5分/局所筋持久力(40〜60%1RMで15回超)90秒未満を示しています(出典は前掲の2009年版)。上位記事の「約1分」は筋肥大の下限、「1〜3分」は筋肥大から筋力へまたぐ範囲に当たります。

これを補強する系統的レビューが2件あります。筋力については、23研究・計491名を対象としたレビューが「短い休憩(60秒未満)でも頑健な筋力向上は達成しうるが、鍛錬者が筋力向上を最大化するにはより長い休憩(2分超)が必要と思われ、未訓練者は60〜120秒で十分と思われる」と結論しています。筋肥大については、6研究を対象としたレビューが「短い休憩も長い休憩もいずれも有用でありうる」としています。

出典:Grgic J, Schoenfeld BJ, Skrepnik M, Davies TB, Mikulic P. Sports Medicine, 48(1), 137–151, 2018年(PubMed PMID 28933024 )/Grgic J, Lazinica B, Mikulic P, Krieger JW, Schoenfeld BJ. European Journal of Sport Science, 17(8), 983–993, 2017年(PubMed PMID 28641044

この2件はメタ解析ではありません

上の2件はいずれも系統的レビューで、効果量を統計的に統合したメタ解析ではありません。筋肥大側は採択研究が6件のみです。またダンベルフライを対象に休憩時間を比較した研究は、当サイトでは確認できていません。

種目の順序

ACSM 2009年版は、運動強度の保持を最適化するよう大筋群→小筋群、多関節→単関節、高強度→低強度の順に配列することを推奨しています。ダンベルフライは単関節種目なので、この原則ではプレス系(多関節)の後に置く並びになります。ただしこれは推奨の提示であり、順序を入れ替えて成果を比較した介入研究のメタ解析ではありません。

ACSMは2026年に改訂版を公表しています。137件のシステマティックレビュー・3万人超のデータを統合したもので、筋肥大が目的なら対象筋群あたり週約10セットを確保し、下ろす局面(エキセントリック)を重視することが有効とされました。失敗まで追い込むこと・器具の種類・複雑な期分けは、成果に一貫した影響を与えなかったと結論づけられています。この結論は健康な成人を対象としたレビューの統合結果であり、個別の種目がそのまま置き換え可能であることを保証するものではありません。

出典:American College of Sports Medicine「Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults: An Overview of Reviews」Med Sci Sports Exerc, 58(4), 2026年(PMC12965823の全文

「週約10セット」はダンベルフライ単体ではなく、大胸筋を使う種目の合計で数えます。 ベンチプレス3セット+ダンベルフライ3セットなら、大胸筋には6セットとして数えることになります。

5. ダンベルフライとプレス、どちらを選ぶか

どちらが優れているかという問いではなく、動作が別物です。

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ダンベルフライダンベルプレス
関節の数単関節(肩のみ)多関節(肩+肘)
動作腕を開いて閉じる押し上げる
主なターゲット大胸筋大胸筋・上腕三頭筋・三角筋前部
扱える重量小さい大きい
上腕三頭筋の関与小さい大きい

筋活動の測定では、大胸筋に有意差が出ていません

バーベルベンチプレス/ダンベルベンチプレス/ダンベルフライの3種目を、同じ被験者・6RM負荷で3反復ずつ行って比較した筋電図研究があります。大学生年代の男女計12名が対象です。

  • 大胸筋・三角筋前部の運動単位活動は、3種目間で有意差がありませんでした。
  • 有意差があったのは活動の相対的持続時間だけで、ダンベルフライはバーベル/ダンベルベンチプレスより有意に短かったと報告されています。
  • 著者の結論は「したがってダンベルフライは補助種目(auxiliary lift)として適しており、バーベルとダンベルのベンチプレスはトレーニングプログラム内で互換的に用いうる」というものです。

出典:Welsch EA, Bird M, Mayhew JL. Journal of Strength and Conditioning Research, 19(2), 449–452, 2005年(PubMed PMID 15903389

この結果の向きに注意してください

この測定は「ダンベルフライのほうが大胸筋に効く」ことを示したものではありません。 大胸筋の活動には有意差が出ていないからです。同時に「プレスのほうが大胸筋に効く」とも言えません。差が確認できたのは活動が続く時間の長さだけで、フライのほうが短いという結果でした。

制約として、被験者は12名・男女混在・挙上経験の程度がそろっておらず、1回のセッションでの筋活動の測定です。筋肥大は測定されていません。どちらが筋肥大に有利かを比較した研究は、当サイトでは依然として確認できていません。

実務上は、プレスで重量を伸ばし、フライで可動域と収縮の感覚を取るという役割分担で組まれることが一般的です。上の研究の著者が「補助種目として適する」と結論しているのも、この使い方と方向が一致します。フライだけで胸を組むことは、扱える重量の上限から難しくなります。

なお、「ダンベルフライで胸が大きくなる」「バストアップできる」という説明を複数の解説記事で見かけますが、当サイトではこうした効果を保証する記述は行いません。 根拠となる一次情報を確認できていないためです。

6. バリエーション

  • フラット(基本形): ベンチを水平にして行う形。
  • インクラインダンベルフライ: ベンチの頭側を上げて行う形。上腕を閉じる方向が斜め上に変わります。上位記事ではベンチ角度15〜30度が目安として示され、45度以上は非推奨とされていますが、角度を比較した研究は当サイトでは確認できていません。
  • デクラインダンベルフライ: 頭側を下げて行う形。頭が心臓より低い位置に来るため、セット間はベンチから起きて休んでください。角度の目安についても上記と同様に根拠を確認できていません。
  • フロアフライ(床で行う): ベンチがない場合の形。床が肘の下限を決めてくれるため、深く下ろしすぎる心配がありません。 可動域は狭くなります。
  • ケーブルフライペックデック(バタフライマシン) 軌道が決まっているため、ダンベルより肘の角度を保ちやすい形です。
  • バランスボール上でのフライ: 「不安定な面で行うと筋活動が上がる」という説明を見かけますが、支持しない測定があります。 身体活動的な男性28名が50%1RMでベンチプレスとダンベルフライを、ベンチ上とバランスボール上で各6反復行った研究では、不安定面を導入しても上肢筋の筋活動はほぼ変化せず、わずかに増加したのは上部僧帽筋だけでした。

出典:Sousa DSF, de Farias WM, de Amorim Batista G, de Oliveira VMA, Pirauá ALT, Beltrão NB, Pitangui ACR, de Araújo RC. Journal of Back and Musculoskeletal Rehabilitation, 35(6), 1289–1297, 2022年(PubMed PMID 35599468 )※この研究が比較しているのは群間(肩甲骨ディスキネジスの有無)と支持面(ベンチ/バランスボール)であり、ベンチプレスとダンベルフライの種目間比較ではありません。種目の優劣の根拠には使えません。

器具や角度を変えたら回数を測り直してください。 フラットで12回だった重量が、インクラインで同じにはなりません。

7. 他の種目との組み合わせ

胸の日に組む場合の例です。

  1. ベンチプレスまたはダンベルプレス(大胸筋・上腕三頭筋・三角筋前部)
  2. デクラインベンチプレス(大胸筋の下部線維)
  3. ダンベルフライ(大胸筋/可動域を取る種目)
  4. 腕立て伏せ(自重で締める場合)

多関節種目を先、単関節種目を後に置く並びが一般的です。 ACSM 2009年版も、大筋群→小筋群、多関節→単関節、高強度→低強度の順を推奨しています。

一方で、「フライを先に入れると、その後のプレスで大胸筋が先に疲れる(あるいは大胸筋がより働く)」という説明は流通していますが、これを直接調べた実験は否定的な結果を報告しています。

レジスタンストレーニング経験のあるアスリート8名が、インクラインダンベルフライで大胸筋を事前疲労させたうえで95%1RMのフラットベンチプレスを行った実験では、次の結果が出ました。

  • 有意に活動が増加したのは上腕三頭筋のみ(求心相のピーク活動が114.77±19.4%から147.76±18.6%へ、p=0.004)
  • 大胸筋と三角筋前部については、統計解析で有意差が示されませんでした
  • 著者の結論は「コーチは事前疲労プロトコルが大胸筋や三角筋前部の活動・疲労を高めることを期待すべきではないが、高強度ベンチプレス前に上腕三頭筋の活動を高めるために用いることはできる」

出典:Gołaś A, Maszczyk A, Pietraszewski P, Stastny P, Tufano JJ, Zając A. Journal of Strength and Conditioning Research, 31(7), 1919–1924, 2017年(PubMed PMID 27984499 )※被験者8名の1回のセッションでの筋活動の測定です。フライを先に置いた場合の筋肥大を比較した研究ではありません。

つまり、フライを先に置く/後に置くという判断を「大胸筋が先に疲れるから」という理由で決める根拠は、現時点ではありません。 多関節種目を先に置く理由は、ACSM 2009年版が挙げる「運動強度の保持」のほうです。

器具ごとの選び方やジムでの組み立てはジムの筋トレメニューを参照してください。

8. よくある質問(FAQ)

ダンベルフライは初心者は何キロからですか?

当サイトはkgの数値を出しません。 解説サイトの目安は4〜6kg/5〜10kgと2倍近く食い違い、いずれも出所が示されていないためです(1. 何キロから始めるか参照)。手元にある最も軽いダンベルから始めて、12〜15回で限界が来る位置を探してください。プレス系と同じ重量では扱いにくいことが多い種目です。

ダンベルフライはどこに効きますか?

大胸筋が主なターゲットです。肘の曲げ伸ばしを伴わないため、プレス系と比べて上腕三頭筋の関与は小さくなります。ただし大胸筋の筋活動そのものは、バーベルベンチプレス・ダンベルベンチプレスと比べて有意差が出ていません(Welsch et al., 2005)。

ダンベルフライとダンベルプレス、どちらがいいですか?

筋活動の測定では、バーベルベンチプレス・ダンベルベンチプレス・ダンベルフライの3種目間で、大胸筋と三角筋前部の活動に有意差がありませんでした(Welsch et al., 2005)。差が出たのは活動が続く時間で、フライのほうが有意に短い結果でした。著者は「フライは補助種目として適する」と結論しています。「フライのほうが大胸筋に効く」とは言えません。 筋肥大を比較した研究は当サイトでは確認できていません。プレスで重量、フライで可動域という役割分担で組まれるのが一般的です(5. どちらを選ぶか参照)。

ダンベルフライを先にやると、プレスで大胸筋がより働きますか?

これを直接調べた実験では否定されています。 インクラインダンベルフライで大胸筋を事前疲労させたあと95%1RMのベンチプレスを行った実験(n=8)では、有意に活動が増えたのは上腕三頭筋だけで、大胸筋・三角筋前部には有意差がありませんでした(Gołaś et al., 2017)。著者も「事前疲労が大胸筋や三角筋前部の活動を高めることを期待すべきではない」と述べています。

どこまで肘を下ろせばいいですか?

上腕が床と平行になるあたり(肘が肩の高さ)が目安です。それより深く下ろすと、胸の張力より肩関節にかかる比重が増えていきます。下ろす深さと肩の負荷を測定した研究は当サイトでは確認できていません。

肩の前側が痛くなります。

その深さには入れないでください。痛みや違和感が続く場合は医療機関への確認が必要な場合があります。可動域を狭くする、床で行う(フロアフライ)、マシンに替える、という順で肩にかかる負担を抑えやすくなります。

肘は伸ばすべきですか、曲げるべきですか?

軽く曲げた角度で固定します。伸ばしきると肩の負担が増え、深く曲げるとプレスの動作に変わります。

ダンベルフライで胸が大きくなりますか?

当サイトではこうした効果を保証する記述は行いません。根拠となる一次情報を確認できていないためです。

ベンチがない場合はどうすればいいですか?

床に寝て行うフロアフライが使えます。床が肘の下限を決めてくれるため、深く下ろしすぎる心配がない形です。可動域は狭くなります。

セット間の休憩は何秒ですか?

ACSM 2009年版は目的別に筋力3〜5分/筋肥大1〜2分/局所筋持久力90秒未満を示しています。上位記事の「約1分」は筋肥大の下限、「1〜3分」は筋肥大から筋力へまたぐ範囲に当たります。系統的レビューでは、鍛錬者が筋力向上を最大化するには2分超が必要と思われ、未訓練者は60〜120秒で十分と思われると結論されています(Grgic et al., 2018)。ただしダンベルフライを対象に比較した研究はありません。

本記事で「上位記事」と書いている箇所は、2026年8月13日時点でGoogle検索(日本)の上位に表示されていた記事を指します。検索結果は日々変動するため、現在の表示順とは異なる場合があります。

9. まとめ

ダンベルフライは、肘の曲げ伸ばしを使わずに大胸筋を扱う単関節種目です。プレス系と同じ重量では成立しません。

実践面では、次の3点を押さえてください。

  1. 手元で最も軽いダンベルから試します。 12〜15回で限界が来る位置を実測して決めます。当サイトはkgの数値を出しません(他サイトの目安に出典がないと指摘した以上、自サイトも出せないためです)。
  2. 肘の角度を固定します。 動作中に曲がる角度が変わったら、それはプレスに化けています。
  3. 肘が肩の高さより深く下ろしません。 深く下ろすほど効くわけではなく、肩関節の余裕が減っていきます。

そして、情報を読むときの視点として2点。

「初心者は何kg」という早見表は、サイト間で2倍近く食い違っており、どれも出所が示されていません。 kgの数字を探すより、12〜15回で限界が来る重量を自分で測って決めるほうが確実です。

「フライのほうが大胸筋に効く」という説明にも根拠がありません。 バーベルベンチプレス・ダンベルベンチプレス・ダンベルフライの3種目で大胸筋の活動を比較した測定では、有意差が出ていません。フライは原著の著者が「補助種目として適する」と述べている位置づけの種目です。プレスの代わりではなく、プレスに足すものとして扱うのが実際的です。

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この記事を書いた人

BULKFIT24(バルクフィット24)は、株式会社ビズファンが運営する24時間営業の完全無人型スポーツジムです。ビズファンは、経済産業省から「スマートSMEサポーター」に認定されており、ICTやIoT、インターネット広告に精通した企業です。

その技術力を活かし、BULKFIT24ではスマートロックや防犯カメラなどのIoT機器を活用し、会員以外の入室を防ぐ高セキュリティの完全無人のスマートジムを実現しています。 また、最新のトレーニングマシンを取り揃え、パーソナルトレーニングサービスも提供しています。

さらに、BULKFIT24の公式サイトでは、筋力トレーニングやIT関連(iPhoneやインターネット)の情報を発信するコラムを掲載し、会員の皆様の健康と知識の向上をサポートしています。

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