エアロバイクを漕ぐと脚は疲れますが、これは筋トレになっているのか。何分漕げばいいのか。そう迷って、調べている方も多いのではないでしょうか。
結論です。エアロバイクは、厚生労働省のガイドが勧める「全身の大きな筋群をまんべんなく鍛える」筋トレの形とは違います。 かといって、筋肉を増やす刺激として足りないとも言い切れず、「筋トレになる」とも「ならない」とも断定できません。
時間の目安は、同じガイドの週あたりの推奨量とメッツ表から逆算できます。健康づくりの推奨量(週4メッツ・時)に届く計算では、90〜100ワットで漕ぐなら週に約35分です。効果を確かめた時間ではありません。「20分以上継続しなければ効果がない」という条件は、健康増進効果についてはガイドのQ&Aが否定しています。筋トレと同じ日に行うなら、筋トレを先にしたほうが、下半身の「動く力」の伸びでは有利でした。一方、「最大心拍数の◯%」「30分で◯kcal」といった数字は、出どころを確かめてから使う必要があります。
エアロバイクは、まず実際にサドルに座って、高さと負荷を合わせてみてください。BULKFIT24の横須賀衣笠店には、2026年8月時点で、ハンドルが動くエアバイクなど、構造の違う3種類の自転車型マシンがあります。
1. エアロバイクは筋トレになりますか?
言い切れません。公的ガイドが勧める筋トレの形とは違う一方で、この記事で調べた範囲では、エアロバイクで筋肉が増えるかどうかを直接測った研究も見当たらないためです。
1-1. 筋力トレーニングの処方はこうなっています
アメリカスポーツ医学会(ACSM)が2026年に発表したポジションスタンドでは、レジスタンストレーニング(いわゆる筋トレ)の処方として次が示されています。137件のシステマティックレビューと3万人超のデータを統合した全面改訂版です。
| 目的 | 示されている処方 |
| 筋力向上 | 週2セッション以上、80%1RM、1種目あたり2〜3セット |
| 筋肥大 | 筋群あたり週およそ10セット、下ろす(エキセントリック)局面を重視 |
| パワー | 30〜70%1RM |
出典:American College of Sports Medicine「Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults: An Overview of Reviews」Med Sci Sports Exerc, 58(4), 2026年(PMC12965823の全文)
なお1RMは、1回だけ挙げられる限界の重量です。「80%1RM」なら、その8割の重さを扱う、という意味になります。
1-2. エアロバイクの負荷は、この処方にそのまま当てはめられません
上の処方はいずれも「何%の負荷を、何セット」という形で書かれています。 一方、エアロバイクの負荷はワット数や抵抗レベルで表示されるものが多く、1RMという単位ではありません。エアロバイクの負荷レベルがこの処方のどこに当たるのかを換算した資料は、見当たりません。そのため、本記事では処方に当てはめた判定をしません。
ですから、「エアロバイクは筋トレになる」とも「ならない」とも断定しません。 この記事で示せるのは、ペダルを漕ぐ動作で下半身のどの筋が使われるか(第2節)と、公的ガイドが勧める筋トレの形(次の1-3)を並べるところまでです。
同じ2026年版は、器具の種類は成果に一貫した影響を与えなかったとも結論しています。ただし比べられたのは、マシンとフリーウェイトのような、レジスタンストレーニング器具どうしです。 有酸素マシンまで含めた比較ではないため、「器具は何でもいいのだからバイクでもよい」とは読めません。
一方で、「エアロバイクを筋トレに足したらどうなるか」を扱った研究なら存在します。 エアロバイク単独で筋肉が増えるかという問いには答えていませんが、筋トレと組み合わせたときの筋力や筋肉の太さの変化は、複数のメタアナリシスが測っています。 これは第5節で詳しく扱います。
1-3. 公的ガイドが推奨する筋トレの形とは違います
刺激として足りているかは言い切れませんが、公的ガイドが「筋トレ」として推奨している実施方法と照らし合わせることはできます。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の情報シート「筋力トレーニングについて」は、筋トレを次のように説明しています。
- 筋トレには、マシンなどを使用するウエイトトレーニングだけでなく、自重で行う腕立て伏せなどの運動も含まれる
- 実施方法として「特定の部位を重点的に鍛えるのではなく、胸、背中、上肢、腹、臀部、下肢などの大きな筋群に負荷がかかるような筋トレを全身まんべんなく行いましょう」
- 成人及び高齢者に、筋トレを週2〜3日実施することを推奨する
- 「日常生活レベル以上の負荷で筋トレを行い、少しずつ負荷を高めていく(漸進性過負荷の原則)ことが重要」「負荷は重さや回数で調整可能」「しっかりと筋肉を休める時間(休息日)をとることも同じく重要」
出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」INFORMATION 1「筋力トレーニングについて」pp.17–18(ガイド本体PDF)/情報シート
エアロバイクは下半身のペダリング動作なので、「全身まんべんなく」という推奨の形とは違います。 ガイドが勧めている筋トレのやり方を1台で満たす器具ではない、ということです。
このガイドは「筋力トレーニングとは何か」を定義した文書ではありません。 示されているのは健康づくりのための実施方法の推奨です。したがって「エアロバイクは筋トレの定義から外れる」と断定することはできません。 かといって、「脚の筋肉はまったく育たない」ということにもなりません。
またガイドの「週2〜3日」は健康づくりを目的とした目安で、ガイド自身が「あくまでも健康づくりを目指した筋トレの方向性を示す1つの目安」と明記しています。筋肥大の最適頻度ではありません。
1-4. エアロバイクで筋肥大は期待できるか
「エアロバイクで筋肥大できるのか」は、エアロバイクだけを行う場合と、筋トレに足す場合で答えが変わります。
エアロバイクだけを行った場合に筋肉が太くなるかどうかは、本記事では判断できません。期待できるとも、できないとも言えません。
筋トレにエアロバイクを足した場合は、測った研究があります。筋肉全体の太さ(筋断面積)については、筋トレ単独と有意な差は示されていません。 筋線維1本の太さでは、ランニングを足した場合に遅筋線維で差が出ていますが、サイクリングでは差が観察されていません。数値と限界は第5節に示します。
つまり「エアロバイクで筋肉を大きくする」という目的に対して示せる根拠は、「筋トレに足しても、筋肉の太さの伸びが有意に減ったというデータはない」というところまでです。筋肉を大きくしたいなら、筋トレを軸に組み、エアロバイクは足す側として使うのが、いまある根拠と矛盾しない組み方です。
2. ペダルを漕ぐ動作で使う筋

ペダルを踏み込む・引き上げる動作は、股関節と膝関節の伸展・屈曲、足関節の底屈を組み合わせたものです。使われる主な筋は次のとおりです。
| 動き | 主に関与する筋 |
| 膝を伸ばす(踏み込む) | 大腿四頭筋 |
| 股関節を伸ばす(踏み込む) | 大臀筋 |
| 膝を曲げる・股関節を伸ばす | ハムストリング(大腿二頭筋・半腱筋・半膜筋) |
| 足首を伸ばす(つま先で押す) | 下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋) |
| 股関節を曲げる(引き上げる) | 腸腰筋 |
上半身は、サドルに座ってハンドルを握る形の機種であれば、ハンドルを保持する以外に大きな動きがありません。 ここは器具の構造から言えることです。
BULKFIT24の横須賀衣笠店に設置している「エアバイク」は、ハンドルが前後に動く構造です。 ペダルと連動して腕を押し引きするため、上の説明は当てはまりません。 「自転車型のマシンは下半身だけ」という一般化は、機種によって成り立たないということです。
ただし、腕の筋がどれだけ使われるかまでは言えません。 上半身も動かす構造の違いまでが、ここで言える範囲です。器具の詳細は第6節に書きました。

漕ぎながらダンベルを持って上半身も同時に鍛える方法は、安全性・効果の良し悪しを判断できる材料がないため、この記事では扱いません。
漕いでいる間に体幹の筋がどれだけ使われるかは、言い切れません。上の表に体幹の筋を入れていないのはそのためです。サドルに座って骨盤を立てた姿勢を保つこと自体は動作に含まれますが、それが「体幹を鍛える」と言える量の刺激かどうかは判断できません。
3. よく見る「20分」「◯kcal」「心拍数◯%」を公的資料で確かめる

3-1. よく見かける数字は、出典を確かめてから使います
エアロバイクの解説でよく見かけるのは、「20分以上で脂肪が燃え始める」という説明、「30分で◯kcal」といった消費カロリー、「最大心拍数の◯%」という心拍数の目安です。こうした数字には、査読論文やACSMの運動処方ガイドラインといった出典が示されていないものを見かけます。出典を確かめてから使ってください。
なお、心肺機能の向上、膝への衝撃がランニングより少ないこと、ウォーキングとの比較、効果が出るまでの期間は、よく書かれる話題ですが、この記事では扱いません。確かな根拠を示せないためです。
3-2. しかも記事どうしで食い違っています
出典がないだけでなく、解説によって数字も結論も食い違っています。
| 論点 | ある解説の主張 | 別の解説の主張 |
| 毎日やってよいか | 毎日は避け、週1〜2日は休む | 毎日30分を推奨 |
| 心拍数の目安 | 最大心拍数の65〜75% | 最大心拍数の60〜70% |
| 消費カロリー | 30分で168〜238kcal | 30分で約126kcal |
毎日やっていいかという最も基本的な論点で、推奨が正反対になっています。 心拍数の式も一致していません。消費カロリーは体重や負荷の条件が解説ごとに違うため、そもそも並べて比べられる形になっていません。
3-3. 「20分以上でなければ効果がない」という条件は、公的ガイドには書かれていません
この疑問には、厚生労働省のガイドが正面から答えています。Q&Aの原文をそのまま引きます。
Q 1回の身体活動で「20分以上継続しなければ効果がない」などの最短持続時間や「週3回以上実施しなければ効果がない」などの最低限実施しなければいけない頻度はありますか?
A ありません。短い時間の積み重ねでも健康増進効果は得られます。また、週に1回でも健康増進効果があることが報告されています。個人のライフスタイルに合わせて、身体活動に取り組むことが大切です。
出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」「5 よくある疑問と回答(Q&A)」p.10(ガイド本体PDF)
同ガイドは参考として「身体活動量が1日10分多くなると疾病の発症リスクや死亡リスクが約3%低下すると推測されているのに対して、運動量が1日10分多くなるとそのリスクは約6%低下すると推測されている」とも記載しています。
上のQ&Aが述べているのは「健康増進効果」=疾病の発症リスク・死亡リスクについてです。脂質の酸化率や体脂肪の変化については何も述べていません。 したがって「20分未満でも脂肪が燃える」「20分未満でも体脂肪が減る」という主張の根拠にはできません。
言えるのは、公的なガイドが最短持続時間・最低頻度という条件を示していないというところまでです。「20分以上で脂肪燃焼が始まる」という説そのものの真偽は、このガイドからは判断できません。
3-4. 消費エネルギーは「メッツ」から推定できます
同じガイドには運動のメッツ表と消費エネルギーの推定式が収録されています。エアロバイクの解説に出てくる3.5/6.8といった数値の出所は、この表です。
| 運動 | メッツ |
| 自転車エルゴメーター(30〜50ワット) | 3.5 |
| 自転車エルゴメーター(90〜100ワット) | 6.8 |
| 自転車エルゴメーター(161〜200ワット) | 11.0 |
| サイクリング(約20km/時) | 8.0 |
推定式はガイドの脚注に次のように書かれています。
メッツとは、身体活動の強度を表し、安静座位時を1メッツとし、その何倍のエネルギーを消費するかという指標。身体活動によるエネルギー消費量(kcal)は、メッツ×時間(h)×体重(kg)で推定することが可能である。 例:歩行(3メッツ)を30分間、体重50kgの人が行った場合のエネルギー消費量は、3(メッツ)×0.5(h)×50(kg)=75kcalと推定できる
出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」参考資料「運動のメッツ表」p.40および脚注6・p.3(ガイド本体PDF)。同表は国立健康・栄養研究所改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」より改変されたもので、その原典は Ainsworth BE, et al.「2011 Compendium of Physical Activities: a second update of codes and MET values」Med Sci Sports Exerc, 43(8), 1575–1581, 2011年, PMID: 21681120(PubMed)です。
メッツ値はワット数と一体です。 「エアロバイクは6.8メッツ」という形で切り出すことはできません。90〜100ワットで漕いだ場合の値であり、自分の使っている機種がその出力を表示していなければ、どの行に当たるかを決められません。
また推定式で出るのは推定値で、実際に測定した消費量ではありません。ガイドの表は原典(Ainsworth 2011)の改変版なので、原典の値と一致するとは限りません。抵抗レベルとワット数の対応は、本記事では示せません。
3-5. 「220−年齢」には、それを検証した論文があります
心拍数の目安に使われる式の一つが、「最大心拍数=220−年齢」です。この式の妥当性を検証した論文があります。
コロラド大学ボルダー校の研究グループが、351件の研究・492群・のべ18,712名のデータを集めて解析し、さらに514名を実験室で実測して追試しています。
The age-predicted HRmax equation (i.e., 220 – age) is commonly used as a basis for prescribing exercise programs, as a criterion for achieving maximal exertion and as a clinical guide during diagnostic exercise testing. Despite its importance and widespread use, the validity of the HRmax equation has never been established in a sample that included a sufficient number of older adults.
(220−年齢の式は運動プログラムの処方などに広く使われているが、高齢者を十分に含む標本でその妥当性が確立されたことは一度もない、という趣旨)
得られた式は 208 − 0.7 × 年齢(相関係数 r = −0.90)で、実測による追試では 209 − 0.7 × 年齢 とほぼ同じでした。男女で差はなく、日頃の運動量による違いも見られなかったと報告されています。著者らの結論は「現在使われている式は、高齢者の最大心拍数を過小評価する」というものです。
出典:Tanaka H, Monahan KD, Seals DR「Age-predicted maximal heart rate revisited」Journal of the American College of Cardiology, 37(1), 153–156, 2001年(PubMed PMID 11153730)
上の論文が示したのは「最大心拍数を年齢から推定する式」であって、「最大心拍数の何%で運動すべきか」という強度の目安ではありません。 「65〜75%」「60〜70%」といった目標の範囲は、根拠となる資料を示せないため、この記事では書きません。強度は、4-1の手順で自分で測って決めてください。
カルボーネン法についても同じです。 原典とされる論文(Karvonen MJ, Kentala E, Mustala O, Annals of Medicine and Experimental Biology Fenniae, 35(3), 307–315, 1957年)は実在しますが、抄録も本文も入手できていないため、式をこの文献の名前で紹介することはできません。
上の論文の対象は健康な成人で、持病のある方には当てはまりません。内容は抄録の範囲で紹介しています。
出典が示されていない数値を見かけたときは、どのサイトも同じ数値を書いているかどうかではなく、その数値の出どころが示されているかどうかを見てください。3-2の表のとおり、同じ数値が並んでいるわけでもありません。
4. では、何分・どのくらいの負荷でやるか(目的別のメニューの組み方)
時間の目安は公的ガイドの推奨量から出せますが、負荷は自分で測って決めるしかありません。
4-0. 公的ガイドが示している「量」
厚生労働省のガイドは、成人に対して次の推奨事項を示しています(原文の要旨)。
| 推奨事項 | 具体的な目安 |
| 強度が3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時以上 | 歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上に相当) |
| 強度が3メッツ以上の運動を週4メッツ・時以上 | 息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上 |
| 筋力トレーニングを週2〜3日(週4メッツ・時の運動に含めてもよい) | — |
| 座位行動(座りっぱなし)の時間が長くなりすぎないように注意する | — |
そのほか「個人差等を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む。今よりも少しでも多く身体を動かす」ことも推奨事項に含まれています。
出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」成人版の推奨事項(ガイド本体PDF)/推奨シート:情報シート (最終更新2024年2月22日)
このガイドは健康づくり(疾病の発症リスク・死亡リスクの低減)を目的とした公的推奨です。筋肥大や体組成の改善を目的とした処方ではありません。ガイド自身がQ&Aで「健康のためには、成人であれば必ず推奨事項を満たす必要がありますか?」に対し「ありません。健康増進のために望ましい身体活動量は人それぞれです。推奨事項はあくまでも目安と考えてください」と回答しています。
4-1. 自分に合う負荷は測って決めます
その量を漕げる負荷は、他人の数字を借りてこられません。自分で測って決めます。サイドレイズやラットプルダウンなど他の種目の記事でも、同じ考え方を採っています。
- 時間を先に決めます。 「今日は◯分漕ぐ」と決めてから席に着きます。負荷から決めると、途中で降りることになりがちです
- 明らかに軽いと感じる負荷から始めます。 1回目は「これでは楽すぎる」と思うところで構いません
- 決めた時間を、ペースを落とさずに漕ぎ切れたかを確認します。 最後の1〜2分で回転数が落ちる、上体が左右に揺れる、サドルから腰が浮くようなら、その負荷は今の自分に対して重い側です
- 漕ぎ切れて余力があるときだけ、次回に1段階上げます
- 上げた結果フォームが崩れるなら、1段階戻します
適正な設定は、借りてくるものではなく、測定して出すものです。
4-2. 座る位置と器具の調整
負荷の設定と並んで確認しておきたいのが、体と器具の位置関係です。エアロバイクには調整箇所が複数あり、身長や脚の長さが違えば適切な位置も変わります。 前に使った人の設定のまま乗り始める前に、確認してください。位置が合っていないと、負荷を正しく設定しても漕ぎ続けられません。
以下は研究にもとづく基準ではなく、器具の構造と「決めた時間を漕ぎ切れるか」という条件から、この記事で整理した目安です。
| 調整箇所 | 考え方 |
| サドルの高さ | ペダルが一番下に来たときに、膝が完全に伸び切らない位置。伸び切ると膝を押し込む形になり、低すぎると膝が深く曲がったまま回すことになります |
| サドルの前後位置 | 機種によって調整できます。ペダルが一番前に来たとき、膝がつま先より大きく前に出ない位置が出発点になります |
| ハンドルの高さ | 背中を丸めずに握れる高さ。手を伸ばし切らないと届かない位置では、上体が前へ引かれます |
| ペダルに乗せる位置 | 足の裏の土踏まずではなく、母趾球(親指の付け根の膨らみ)がペダルの軸の上に来る位置。かかとで踏むと足首が固定されません |
| 上体 | 骨盤を立てて座ります。左右に大きく揺れる場合は、サドルが高いか負荷が重い側です |
サドルの高さ・前後位置の適正な角度や距離は、本記事では出典を提示できないため、数値基準は示しません。上の表は、器具の構造と「漕ぎ続けられるか」という条件から導ける範囲にとどめています。実際に数分漕いでみて、膝・股関節・腰に引っかかりが出ない位置を探してください。
4-3. 立ち漕ぎはしてよいのか
サドルから腰を上げて漕ぐ「立ち漕ぎ」は、スピンバイクのように前傾姿勢を取りやすい機種で行われることがあります。立ち漕ぎの強度・筋活動・安全性について、本記事では根拠を示せず、安全性を判断できません。
言えるのは、機種によって立ち漕ぎを想定していないものがあるという点までです。ハンドルとサドルの位置関係、フライホイールの重さ、フレームの安定性は機種で違います。取扱説明書または施設の掲示で、その機種が立位での使用を想定しているかを確認してください。
膝・股関節・腰に痛みや違和感がある場合、あるいは漕いでいる最中に出る場合は、負荷や姿勢の調整だけで無理に続けず、整形外科などの医療機関や専門家への確認が必要な場合があります。 また高血圧や心疾患などで運動を制限されている場合、開始前に主治医へ確認してください。本記事は一般的な情報提供であり、個別の症状に対する診断や治療方針を示すものではありません。
4-4. どんなときに中止するか(公的資料にある目安)
厚生労働省のガイドの情報シートに、中止の目安が書かれています。
運動中に次の状態が出たら、直ちに中止することとされています。
胸痛・動悸・めまいやふらつき・強い空腹感やふるえ・いつもと違う強い疲れ・関節や筋肉の強い痛み・冷や汗などの体調の異変
血圧については、「収縮期血圧180/拡張期血圧110mmHgのときは運動を控えて休養」と示されています。
同じ情報シートは、確認のタイミングを5段階に分けています。①普段からの健康管理、②新たに運動を開始する前の基礎疾患の確認、③毎回の運動前の体調確認とウォームアップ、④運動中の体調確認、⑤運動後の体調確認とクールダウン。クールダウンは「5〜10分ほどのクールダウン(整理運動)として低・中強度の動的運動を継続」とされています。このシートはエアロバイクを名指ししていませんが、負荷を落としてしばらく漕ぎ続ける形がこれに当たる、というのはこの記事での読み替えです。
出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:身体活動・運動を安全に行うためのポイント(執筆:平田昂大、小熊祐子/慶應義塾大学スポーツ医学研究センター。最終更新2024年3月19日。情報シート )
持病がある場合については、別の情報シートに次のように書かれています。
身体活動によって悪化する可能性のある合併症・運動器の痛みや変形がある場合があるため、事前に医師等の専門家に相談する。
このシートは、そもそも「定期的な健康診断や医療機関の受診、必要な治療が行われていることが前提」であるとも述べています。
出典:同ガイド 情報シート:慢性疾患を有する人の身体活動のポイント(執筆:小熊祐子/慶應義塾大学 スポーツ医学研究センター・大学院健康マネジメント研究科 准教授。最終更新2024年3月19日。情報シート )
これらは健康づくりを目的とした一般向けの情報であり、エアロバイクという特定の器具を対象に定められた基準ではありません。 また個別の可否は、この記事では判断できません。該当する状態がある場合は、この記事ではなく主治医の指示に従ってください。
4-5. 目的別の組み方(週の推奨量から逆算するメニュー例)
メニューは、公的ガイドの週あたりの推奨量(4-0)とメッツ表(3-4)から逆算できます。「この時間を漕げばこの効果が出る」という意味ではなく、「推奨量に届くにはこれだけ要る」という計算です。
週4メッツ・時(息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上)に届く時間を、ワット数別に並べると次のとおりです。
| 漕ぐ強さ(メッツ表の条件) | メッツ | 週4メッツ・時に届く時間 | 分割の例 |
| 自転車エルゴメーター 30〜50ワット | 3.5 | 約69分/週 | 23分×3回 |
| 自転車エルゴメーター 90〜100ワット | 6.8 | 約35分/週 | 12分×3回 |
| 自転車エルゴメーター 161〜200ワット | 11.0 | 約22分/週 | 11分×2回 |
(計算:4メッツ・時 ÷ メッツ値 × 60分。たとえば 4 ÷ 6.8 × 60 ≒ 35分)
何回かに分けて漕いで構いません。同ガイドのQ&Aが、「1回の身体活動で『20分以上継続しなければ効果がない』などの最短持続時間(…)はありますか?」に対して「ありません。短い時間の積み重ねでも健康増進効果は得られます」と回答しているためです(3-3)。
目的ごとの組み方は、次のようになります。
体力作り・健康づくりが目的なら、上の表の時間を週の中で分けて漕ぎます。ガイドは歩行相当の身体活動を1日60分以上(週23メッツ・時)も推奨しているので、エアロバイクだけで済ませず、日常の歩行と合わせて考えてください(4-0、3-4)。
息が弾む強度で短く済ませたいなら、161〜200ワット(11.0メッツ)で週22分が、週4メッツ・時に届く計算です。ただし、この強度で心肺機能(最大酸素摂取量)がどれだけ向上するかは言い切れません。 高強度インターバルの具体的な秒数の組み方も、ここでは示しません(3-4、3-3)。
筋トレと組み合わせるなら、同じ日にやるときは筋トレを先にします(5-1)。筋力を伸ばすことが第一の目的なら、「1回30分超・中強度の持続」の形を避ける根拠があります(5-2)。ガイドは筋トレを週2〜3日としており、有酸素の週4メッツ・時に含めてもよいとしています(4-0)。
「初心者は20分×週3回」のようなレベル別の時間・回数は、この記事で取り上げた公的ガイドや研究にはその区分がなく、出典のある目安を示せません。負荷は4-1の手順で自分で測って決めてください。上の時間は、健康づくり(疾病発症・死亡リスクの低減)を目的とした推奨量に届くための算術で、筋肥大・体脂肪の減少・持久力の向上を約束するものではありません。自分の使う機種がワット数を表示していなければ、どの行に当たるかは決められません(3-4)。
体重の管理には食事側の条件も関わります。タンパク質の摂取量についてはプロテインの摂取量は1日何g?で、公的基準と解説サイトの数値が食い違っている点を含めて扱っています。
負荷が合っているか、決めた時間を漕ぎ切れるかは、実際にバイクに座って試して確かめてください。
5. 筋トレと組み合わせるとき、どちらを先にやるか
筋トレとエアロバイクを同じ日にやるなら、どちらが先か。同じ日にまとめて行うなら、筋トレを先にしてください。 順序を比較したメタアナリシスがあり、下半身の「動く力」の伸びについてのみ、筋トレを先にしたほうが有利という結果が出ています。
5-1. 順序を比較したメタアナリシスの結果
同じセッションの中で筋トレと持久系運動を両方行った研究を集め、順序による差を解析したメタアナリシスがあります。10件の研究・のべ245名(平均年齢31±16歳)が対象で、5週間以上続けたプログラムに限って集計されています。対象者のうち6件は運動習慣のない人を扱った研究で、プロ選手を扱ったものは1件です。
「筋トレ→持久系」の順が、「持久系→筋トレ」の順と比べてどうだったかは次のとおりです(数値は加重平均差)。動的筋力は重りを動かす力、静的筋力は動かさずに力む力を指します。
横棒が0の線をまたいでいる項目は、「差があるとは言えない」という意味です。 差が出たのは動的筋力の1項目だけで、残り4項目は0をまたいでいます。同じ数値を表でも示します。
| 測った内容 | 差(筋トレが先) | 95%信頼区間 | p値 |
| 下半身の動的筋力 | +6.91% | 1.96〜11.87 | 0.006 |
| 下半身の静的筋力 | −0.04% | −3.19〜3.11 | 0.98 |
| 筋肥大 | +1.15% | −1.56〜3.87 | 0.40 |
| 最大酸素摂取量 | −0.27% | −2.74〜2.20 | 0.83 |
| 体脂肪率 | +0.68% | −0.97〜2.33 | 0.42 |
上半身の筋力は研究数が足りず解析できておらず、下半身のパワーも2件しかなく比較されていません。
出典:Eddens L, van Someren K, Howatson G「The Role of Intra-Session Exercise Sequence in the Interference Effect: A Systematic Review with Meta-Analysis」Sports Medicine, 48(1), 177–188, 2018年(PMC5752732の全文)
著者らは結論をこう書いています。
These results indicate that the practice of concurrent training with a resistance followed by an endurance exercise order is beneficial for the outcome of lower-body dynamic strength, while alternating the order of stimuli offers no benefit for training outcomes associated with the interference effect.
(筋トレを先に、持久系を後にする順序は下半身の動的筋力にとって有益である一方、順序を入れ替えても干渉効果に関連する他の成果に利点はない、という趣旨)
差が出たのは「下半身の動的筋力」だけです。 筋肥大では p=0.40 で差が示されていません。「筋トレを先にすると筋肉がつきやすい」とは、この研究からは言えません。
また、これは「同じセッションの中でどちらを先にするか」の話です。 別の日に分ける場合については、この研究は何も述べていません。
さらに、この研究は有酸素運動の種類を分けて解析していません。 対象研究には自転車・ランニング・水中運動が混ざっており、「エアロバイクの場合はこうだ」と言える形にはなっていません。 言えるのは有酸素運動一般としての傾向までです。
著者らは限界として、一部の項目で研究間のばらつきが中程度から大きく結果に一貫性を欠く部分があること、英語の文献しか検索していないこと、出版バイアスの可能性を排除できないことを挙げています。対象の6件が未訓練者を扱った研究であり、高い強度で運動できないことが結果に影響した可能性は不明です。研究資金はノーサンブリア大学から出ており、著者3名は利益相反がないと申告しています。
5-2. そもそも、組み合わせると筋トレの効果は落ちるのか
中強度で長く漕ぐ形を足すと筋力の伸びが小さくなる可能性があり、筋断面積では有意な差が示されていません。この問いに答えている研究は、測っている対象が違う2つあり、一見すると逆のことを言っています。
ひとつ目は、有酸素運動の種類ごとに比較したネットワークメタアナリシスです。 40件の研究・841名(18〜45歳未満の健康な成人)を対象に、筋トレ単独と、4種類の有酸素運動を足した場合を比べています。
下の数値は、下半身の筋力について、筋トレ単独と比べたときの差(標準化平均差)です。
下2つ(中強度で長く続ける形)だけが0の線をまたいでいません。 高強度インターバルの2つは0をまたいでおり、筋トレ単独と差があるとは言えません。同じ数値を表でも示します。
| 筋トレに足した有酸素運動 | 筋トレ単独との差 | 95%信頼区間 |
| 高強度インターバル走 | −0.08 | −0.25〜0.08 |
| 高強度インターバル自転車 | −0.18 | −0.49〜0.13 |
| 中強度の持続ランニング | −0.25 | −0.46〜−0.05 |
| 中強度の持続サイクリング | −0.38 | −0.62〜−0.14 |
(標準化平均差は単位のない指標です。前の表の「+6.91%」のようなパーセントとは意味が異なるため、2つの表の数値を直接比べることはできません。)
出典:Chen Y, Feng X, Huang L, Wang K, Mi J「Comparative efficacy of concurrent training types on lower limb strength and muscular hypertrophy: A systematic review and network meta-analysis」Journal of Exercise Science and Fitness, 22(1), 86–96, 2024年(PMC10767279の全文)
中強度で30分を超えて漕ぐ形のサイクリングを筋トレに足した群は、筋トレだけの群より下半身の筋力の伸びが小さく、この差は統計的に有意でした(信頼区間が0をまたいでいません)。この研究で言う「中強度の持続的なサイクリング」は、1回30分超、最大酸素摂取量の46%超・最大心拍数の64%超・主観的運動強度12超のいずれかと定義されています。
一方で、筋断面積(筋肉の太さ)については、どの組み合わせも筋トレ単独と有意な差が示されていません。 中強度サイクリングを足した群も +0.07(95%信頼区間 −0.24〜0.38)で、信頼区間が0をまたいでいます。
この論文には SUCRA という「順位のつきやすさ」を表す指標も載っており、筋断面積では中強度サイクリングを足した群(63.8%)が筋トレ単独(47.1%)より上位に来ます。しかしこれは順位の確率であって、効果があったという意味ではありません。 実際の差は上記のとおり有意ではありません。
ふたつ目は、筋線維1本の太さを測った研究です。 15件・300名を対象に、併行トレーニングと筋トレ単独を比べています。全体では併行トレーニング側がわずかに小さい(標準化平均差 −0.23、95%信頼区間 −0.46〜−0.00、p=0.050)という結果でした。信頼区間の端も p値も、差があるかないかのちょうど境目にあります。 ただし種類別に見ると、遅筋線維で差が出たのはランニングの場合(−0.81、95%信頼区間 −1.26〜−0.36)で、サイクリングでは差が観察されませんでした。
出典:Lundberg TR, Feuerbacher JF, Sünkeler M, Schumann M「The Effects of Concurrent Aerobic and Strength Training on Muscle Fiber Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis」Sports Medicine, 52(10), 2391–2403, 2022年(PMC9474354の全文)
ひとつ目は「筋力と筋肉全体の太さ」を、ふたつ目は「筋線維1本の太さ」を測っています。測った対象が違います。
ふたつ目の著者自身が「線維レベルの差が、必ずしも筋肉全体の肥大の差になるとは限らない」と明記しています。またこの研究でランニングについて解析できたのは3件のみで、著者は「予備的な根拠」と表現しています。筋線維の測定は変動係数13%とばらつきが大きく、組み入れ研究の質も中程度(PEDroスコア平均4.3)です。
どちらか片方だけを引いて「エアロバイクは筋トレの邪魔をする/しない」と断定することはできません。
5-3. 以上をふまえて、実務的にどうするか
同じ日に両方やるなら、筋トレを先にします。 下半身の動的筋力について、これを支持するメタアナリシスがあります(5-1)。
筋力を伸ばすことが第一の目的なら、上で定義された「中強度で30分超」の形を組み合わせることが、筋力の伸びを小さくする可能性があります(5-2)。ただし筋肉の太さについては、有意な差は示されていません。
健康づくりが目的なら、組み合わせること自体は公的ガイドが勧めています。 情報シートは「筋トレと有酸素性身体活動を組み合わせるとさらなる健康増進効果が期待できる」と述べ、根拠として18〜98歳を対象としたコホート研究の系統的レビュー・メタ解析を挙げています。そこでは筋トレを実施している群は、有酸素性の身体活動量に関わらず、総死亡および心血管疾患・全がん・糖尿病・肺がんの発症リスクが10〜17%低いと報告されています(出典は第1節と同じ情報シート)。
第1節のとおり、エアロバイクは公的ガイドが推奨する筋トレの形(全身の大きな筋群にまんべんなく)とは違います。 「バイクで下半身を済ませる」という組み方は、ガイドが勧める形には当たりません。迷ったら、同じ日は筋トレを先にして、エアロバイクはそのあとに、決めた時間だけ漕いでください。
ネットワークメタアナリシス(5-2のひとつ目)の対象は18〜45歳未満の健康な成人で、女性は被験者の20%しかいません。 著者自身がこれを一般化の限界として挙げ、「研究数が少ないため、結論は慎重に扱わなければならない」とも明記しています。順序のメタアナリシス(5-1)は平均年齢31±16歳です。筋線維の研究(5-2のふたつ目)は、性別・年齢の内訳が論文に書かれていません。
高齢の方、女性、持病のある方にそのまま当てはまるとは限りません。
トレーニング全体の組み方については、ジムの筋トレメニューは「器具」から決めるで器具別・部位別に整理しています。
6. 店舗に置いてある自転車型マシンは1種類ではありません
ひとことで「エアロバイク」と言っても、BULKFIT24の横須賀衣笠店に設置しているのは、構造の違う次の3台です。

| 実物 | 構造の特徴 |
| エアバイク | 前輪部分が大型のファンになっていて、その風の抵抗が負荷になります。ハンドルが前後に動き、ペダルと連動して腕も押し引きします |
| スピンバイク | 「SPINNING」ブランドの車体。ハンドルとサドルの調整幅が広く、前傾姿勢を取りやすい形。上部に赤い緊急停止ノブがあります |
| NordicTrack のスタジオバイク | 大型のタッチスクリーンを備え、走行コースの映像が流れます。ハンドル脇に「POWER INCLINE −10% TO 20%」の操作パネルがあり、車体そのものが前後に傾きます |
エアバイクはハンドルが動くため、第2節で書いた「上半身は保持するだけ」という説明が当てはまりません。
NordicTrack の傾斜機構は、一般的なアップライト型のエアロバイクにはない機能です。 「エアロバイクの効果」を調べて来られた方が、そのまま同じものとして扱えるとは限りません。
ただし、この3台の消費エネルギーや筋活動を比べた研究は見当たらず、本記事では優劣を判断しません。「どれが一番効く」とは言えません。 構造が違うという事実までが、この記事で言える範囲です。型番・年式・抵抗レベルの段数は未確認です。
なお「エアロバイク」はコナミスポーツクラブの登録商標です(同社のページでは®付きで表記されています)。一般名称としては「フィットネスバイク」「エルゴメータ」等が使われます。この記事では、検索されている語として「エアロバイク」を用いていますが、器具の分類名として使っているわけではありません。
設置している器具の一覧はトレーニングマシンの種類にまとめています。ハンドルを持って上半身も動かす形のクロストレーナーも、構造の異なる別の器具です。
7. よくある質問

- エアロバイクは筋トレになりますか?
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厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023は、筋トレの実施方法として「胸、背中、上肢、腹、臀部、下肢などの大きな筋群に負荷がかかるような筋トレを全身まんべんなく行いましょう」と示しています。エアロバイクは下半身のペダリング動作なので、この推奨の形とは違います。ただしこのガイドは「筋トレとは何か」を定義した文書ではないため、「定義から外れる」とは言えません。 エアロバイクで下肢筋がどう変わるかを測った研究は見当たらないため、「ならない」と断言もできません。
- エアロバイクは何分やればいいですか?
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同ガイドは成人に対し「3メッツ以上の運動を週4メッツ・時以上(息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上)」を推奨しています。メッツ表の自転車エルゴメーター(90〜100ワット)は6.8メッツなので、週4メッツ・時は約35分に相当する計算になります。ただしこれは健康づくりを目的とした推奨で、ガイド自身が「推奨事項はあくまでも目安」と明記しています。
- エアロバイクは毎日やっても大丈夫ですか?
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同ガイドのQ&Aは「週3回以上実施しなければ効果がない」といった最低頻度の条件を否定していますが、上限の頻度については述べていません。解説によっては「毎日は避けて週1〜2日休む」と「毎日30分」で正反対に分かれており、どちらにも出典がありません。毎日行ってよいかどうかは、本記事では判断できません。持病がある方や運動を制限されている方は主治医に確認し、膝・股関節・腰に痛みや違和感が出たら中止してください。
- エアロバイクで何kcal消費しますか?
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ガイドの推定式(メッツ×時間(h)×体重(kg))で推定できます。たとえば体重60kgの人が90〜100ワット(6.8メッツ)で30分漕いだ場合、6.8×0.5×60=204kcalという推定値になります。ただしこれは推定値であって実測値ではなく、ワット数の条件と一体の数値です。抵抗レベルとワット数の対応は、本記事では示せません。
- 20分以上漕がないと脂肪が燃えないというのは本当ですか?
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ガイドのQ&Aは「1回の身体活動で『20分以上継続しなければ効果がない』などの最短持続時間はありますか?」に対し「ありません。短い時間の積み重ねでも健康増進効果は得られます」と回答しています。ただしこれは疾病発症リスク・死亡リスクという「健康増進効果」についての記述で、脂質の酸化率や体脂肪の変化には言及していません。「20分未満でも脂肪が燃える」の根拠にはなりません。公的なガイドが最短持続時間の条件を示していない、というところまでが言える範囲です。
- エアロバイクのメニューはどう組めばいいですか?
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公的ガイドの週あたり推奨量(3メッツ以上の運動を週4メッツ・時以上)とメッツ表から、必要な時間を逆算できます。90〜100ワット(6.8メッツ)なら週約35分、30〜50ワット(3.5メッツ)なら週約69分、161〜200ワット(11.0メッツ)なら週約22分で、いずれも分割して構いません。これは推奨量に届くための計算であって、効果を約束する数値ではありません。 「初心者は20分×週3回」のようなレベル別の目安は、公的ガイドにも研究にも区分がないため示していません。詳しくは4-5をご覧ください。
- エアロバイクで体幹は鍛えられますか?
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漕いでいる間の体幹の筋活動を測った研究は見当たらないため、鍛えられるとも、鍛えられないとも言えません。骨盤を立てて座る姿勢を保つこと自体は動作に含まれますが、それが「体幹を鍛える」と言える量の刺激かどうかは判断できません。
- 筋トレとエアロバイク、どちらを先にやるべきですか?
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同じ日にまとめて行うなら、筋トレを先にしてください。 同一セッション内の順序を比較したメタアナリシス(10研究・245名)で、筋トレを先にした側が下半身の動的筋力で+6.91%(95%信頼区間 1.96〜11.87、p=0.006)有利という結果が出ています。ただし差が出たのはこの項目だけで、筋肥大(p=0.40)・静的筋力・最大酸素摂取量・体脂肪率では差が示されていません。またこの研究は有酸素運動の種類を分けて解析していないため、「エアロバイクの場合」と限定しては言えません。別の日に分ける場合についても述べられていません。詳しくは第5節をご覧ください。
- エアロバイクをやると筋トレの効果が落ちますか?
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筋力については、落ちる可能性を示した研究があります。 40研究・841名のネットワークメタアナリシスで、中強度で30分を超えて漕ぐ形のサイクリングを筋トレに足した群は、筋トレだけの群より下半身の筋力の伸びが小さく(−0.38、95%信頼区間 −0.62〜−0.14)、この差は有意でした。一方、筋断面積については、どの組み合わせも筋トレ単独と有意な差が示されていません。 さらに筋線維1本の太さを測った別の研究では、遅筋線維で差が出たのはランニングの場合で、サイクリングでは差が観察されませんでした。 測っている対象が違うため、これらは矛盾していません。ネットワークメタアナリシスの対象は18〜45歳未満の健康な成人で、女性は2割にとどまります。筋線維の研究のほうは、性別・年齢の詳細が論文に記載されていません。
- エアロバイクで脚は太くなりますか?
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エアロバイク単独で下肢の筋断面積・周囲長がどう変わるかを測った研究は見当たらず、本記事では判断できません。太くなるとも太くならないとも言えません。 上のQで挙げた研究は、いずれも筋トレと組み合わせた場合を測ったもので、そこでは筋断面積に有意な差が示されていません。
- 運動を中止したほうがよいのは、どんなときですか?
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厚生労働省のガイドの情報シートは、「胸痛・動悸・めまいやふらつき・強い空腹感やふるえ・いつもと違う強い疲れ・関節や筋肉の強い痛み・冷や汗などの体調の異変」があれば直ちに中止するよう示しています。血圧については「収縮期血圧180/拡張期血圧110mmHgのときは運動を控えて休養」とされています。これらは一般向けの目安であり、個別の可否はこの記事では判断できません。該当する場合は主治医の指示に従ってください。
- 膝が痛くなります。
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使用を中止し、整形外科などの医療機関への確認を検討してください。サドルの高さや負荷の調整で改善するとは限りません。本記事は一般的な情報提供であり、個別の症状に対する判断を示すものではありません。
8. まとめ
エアロバイクは、公的ガイドが勧める筋トレの形とは違いますが、筋肉を増やす刺激として足りないとも言い切れません。筋肉を大きくしたいなら、筋トレを軸にして、エアロバイクは足す側として使ってください。同じ日にやるなら筋トレが先です。下半身の動的筋力に+6.91%(p=0.006)の差が出ていますが、差が出たのはこの項目だけで、筋肥大では差がありません。
時間は、公的ガイドの推奨量から逆算します。健康づくりの推奨量に届く計算では、90〜100ワット(6.8メッツ)なら週約35分で、メッツ値はワット数の条件と一体です。「20分以上でなければ効果がない」という条件は、健康増進効果については公的ガイドが否定しています。負荷は、時間を先に決め、明らかに軽い負荷から始めて、決めた時間をペースを落とさずに漕ぎ切れたときだけ1段階上げて決めます。胸痛・動悸・めまい・冷や汗などが出たら直ちに中止してください(第4節)。
BULKFIT24の横須賀衣笠店に置いてあるのは、ハンドルが動くエアバイク、スピンバイク、車体が前後に傾くNordicTrackのスタジオバイクの3種類です。エアバイクは腕も押し引きするため、「自転車型は下半身だけ」とは言えません。3台の違いと、自分に合うサドルの高さ・負荷は、実際に座って確かめてみてください。
本記事の店舗設備の情報は2026年8月時点のものです。
