エアロバイクが筋トレになるかどうかを先に書きます。当サイトでは、エアロバイクを筋力トレーニングの処方原則に当てはめて検証した資料を確認できていません。 ペダルを漕ぐ動作で下半身の筋を使うこと自体は動作の構造から言えますが、それが筋肉を増やす刺激として足りているかどうかは、本記事では判断材料を示せません。
ただし、公的ガイドが「筋トレ」として推奨している実施方法と照らし合わせることはできます(第1節)。
もう一つ、先に書いておくことがあります。エアロバイクの解説記事で当たり前のように出てくる「20分以上で脂肪が燃え始める」「30分で◯kcal」「最大心拍数の◯%」といった数値は、調べた6記事のすべてで出典が示されていませんでした。 しかも記事どうしで数値と結論が食い違っています。
この点については、厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」に、自転車エルゴメーターのメッツ値・消費エネルギーの推定式・そして「20分以上継続しなければ効果がない」という条件を否定するQ&Aが載っています。 第3節でその原文を示します。「220−年齢」についても、その妥当性を検証した論文がありますので合わせて示します(ただし「最大心拍数の何%で漕ぐか」という目標の範囲は、根拠を確認できていないため書きません)。
そしてもう一点。検索結果には「筋トレとエアロバイクはどっちが先がいいですか?」という質問が出ますが、調べた上位6記事はどれも答えていませんでした。 これには順序を比較したメタアナリシスがあり、同じ日にやるなら筋トレを先にしたほうが、下半身の「動く力」の伸びについては有利という結果が出ています。第5節で数値と限界の両方を示します。
1. エアロバイクは筋トレになりますか?
1-1. 筋力トレーニングの処方はこうなっています
アメリカスポーツ医学会(ACSM)が2026年に発表したポジションスタンドでは、レジスタンストレーニング(いわゆる筋トレ)の処方として次が示されています。137件のシステマティックレビューと3万人超のデータを統合した全面改訂版です。
| 目的 | 示されている処方 |
| 筋力向上 | 週2セッション以上、80%1RM、1種目あたり2〜3セット |
| 筋肥大 | 筋群あたり週およそ10セット、下ろす(エキセントリック)局面を重視 |
| パワー | 30〜70%1RM |
出典:American College of Sports Medicine「Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults: An Overview of Reviews」Med Sci Sports Exerc, 58(4), 2026年(PMC12965823の全文)
1RMとは、1回だけ挙げられる限界の重量のことです。「80%1RM」は、その8割の重さを扱うという意味になります。
1-2. エアロバイクをこの枠に当てはめた資料は確認できていません
ここが本題です。上の処方はいずれも「何%の負荷を、何セット」という形で書かれています。 エアロバイクの負荷はワット数や抵抗レベルで表示されるものが多く、1RMという単位ではありません。そのため、エアロバイクの負荷レベルがこの処方のどこに当たるのかを換算・検証した資料を、当サイトでは確認できていません。
したがって本記事では、次のように書きます。
- 「エアロバイクは筋トレになる」とは書けません。 検証した資料を確認できていないためです
- 「エアロバイクは筋トレにならない」とも書けません。 これも同じ理由です
- 書けるのは、ペダルを漕ぐ動作で下半身のどの筋が使われるか(次章)と、筋力トレーニングの処方はこうなっている(前節)という2つを並べて示すところまでです
同じ2026年版では、器具の種類は成果に一貫した影響を与えなかったとも結論されています。ただしそこで比較されたのはマシンとフリーウェイトのような、レジスタンストレーニング器具どうしの分類です。 「レジスタンス器具と有酸素マシンを比べても同じ」という意味ではありません。この結論をエアロバイクに広げて「器具は何でもいいのだからバイクでもよい」と読むことはできません。
検索結果の上位記事6件はいずれも「下半身の筋力アップ」を効果として挙げていましたが、それが筋肥大の刺激として十分かどうかを検討した記事は1件もありませんでした。 業界全体で、この問いに正面から答えているものが見当たらないのが現状です。
ただし、「エアロバイクを筋トレに足したらどうなるか」を調べた研究なら存在します。 エアロバイク単独で筋肉が増えるかという問いには答えていませんが、筋トレと組み合わせたときに筋力や筋肉の太さがどうなったかは、複数のメタアナリシスが測っています。 これは第5節で詳しく扱います。
1-3. 公的ガイドが推奨する筋トレの形とは違います
刺激として足りているかは判断できませんが、公的ガイドが「筋トレ」として推奨している実施方法と照らし合わせることはできます。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の情報シート「筋力トレーニングについて」は、筋トレを次のように説明しています。
- 筋トレには、マシンなどを使用するウエイトトレーニングだけでなく、自重で行う腕立て伏せなどの運動も含まれる
- 実施方法として「特定の部位を重点的に鍛えるのではなく、胸、背中、上肢、腹、臀部、下肢などの大きな筋群に負荷がかかるような筋トレを全身まんべんなく行いましょう」
- 成人及び高齢者に、筋トレを週2〜3日実施することを推奨する
- 「日常生活レベル以上の負荷で筋トレを行い、少しずつ負荷を高めていく(漸進性過負荷の原則)ことが重要」「負荷は重さや回数で調整可能」「しっかりと筋肉を休める時間(休息日)をとることも同じく重要」
出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」INFORMATION 1「筋力トレーニングについて」pp.17–18(ガイド本体PDF)/情報シート
エアロバイクは下半身のペダリング動作なので、「全身まんべんなく」という推奨の形とは違います。 ガイドが勧めている筋トレのやり方を1台で満たす器具ではない、ということです。
このガイドは「筋力トレーニングとは何か」を定義した文書ではありません。 示されているのは健康づくりのための実施方法の推奨です。したがって「エアロバイクは筋トレの定義から外れる」と断定することはできません。 ここで言えるのは「ガイドが推奨している全身への実施という形には当てはまらない」という範囲までです。
エアロバイクを実施したときの下肢筋の活動や筋断面積の変化を測定した資料も、当サイトでは確認できていません。「脚の筋肉はまったく育たない」という主張にもなりません。またガイドの「週2〜3日」は健康づくりを目的とした目安であり、ガイド自身が「あくまでも健康づくりを目指した筋トレの方向性を示す1つの目安」と明記しています。筋肥大の最適頻度ではありません。
2. ペダルを漕ぐ動作で使う筋
ペダルを踏み込む・引き上げる動作は、股関節と膝関節の伸展・屈曲、足関節の底屈を組み合わせたものです。関与する主な筋は次のとおりです。
| 動き | 主に関与する筋 |
| 膝を伸ばす(踏み込む) | 大腿四頭筋 |
| 股関節を伸ばす(踏み込む) | 大臀筋 |
| 膝を曲げる・股関節を伸ばす | ハムストリング(大腿二頭筋・半腱筋・半膜筋) |
| 足首を伸ばす(つま先で押す) | 下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋) |
| 股関節を曲げる(引き上げる) | 腸腰筋 |
上半身については、サドルに座ってハンドルを握る形の機種であれば、ハンドルを保持する以外に大きな動きがありません。 ここは器具の構造から言えることです。
当店(横須賀衣笠店)に設置している「エアバイク」は、ハンドルが前後に動く構造です。 ペダルと連動して腕を押し引きするため、上の説明は当てはまりません。 「自転車型のマシンは下半身だけ」という一般化は、機種によって成り立たないということです。
ただし、その動作でどの筋がどれだけ使われるかを測定した資料は、当サイトでは確認できていません。 上半身も動かすという構造の違いまでが、ここで言える範囲です。器具の詳細は第6節に書きました。

なお、旧版の本記事には「エアロバイクを漕ぎながらダンベルを持ち、上半身のトレーニングを同時に行う」という記述がありましたが、この方法の安全性・効果を検証した資料を確認できていないため、本記事では削除しました。 良し悪しを判断できる材料がないため、本記事では扱いません。
3. よく見る「20分」「◯kcal」「心拍数◯%」を公的資料で確かめる

3-1. 調べた6記事すべてで出典が示されていませんでした
「エアロバイク 効果」「エアロバイク 筋トレ」の上位記事6件を調べました(2026年8月時点)。結果は次のとおりです。
- 査読論文・ACSM運動処方ガイドラインへの引用は、6件すべてでゼロ。 URL付きで確認できる公的資料を出していたのは1件(厚生労働省の資料へのリンク)だけでした
- 一方で、「20分以上で脂肪が燃え始める」という記述が4件、消費カロリーの実数(kcal)が3件、心拍数の目安が3件に出ていました
逆に、上位6件が共通して扱っているのに、本記事が扱っていない論点もあります。 心肺機能の向上、膝への衝撃がランニングより少ないこと、ウォーキングとの比較、そして効果が出るまでの期間の4つです。いずれも当サイトでは根拠となる一次情報を確認できていないため、書いていません。 上位記事が揃って書いているという事実は、その内容が確かめられていることを意味しません。ここを探して来られた方には、答えを持てていないことをお詫びします。
3-2. しかも記事どうしで食い違っています
出典がないだけなら「確認できていない」で済みますが、実際には内容が矛盾しています。
| 論点 | 記事Aの主張 | 記事Bの主張 |
| 毎日やってよいか | 毎日は避け、週1〜2日は休む | 毎日30分を推奨 |
| 心拍数の目安 | 最大心拍数の65〜75% | 最大心拍数の60〜70% |
| 消費カロリー | 30分で168〜238kcal | 30分で約126kcal |
毎日やっていいかという最も基本的な論点で、推奨が正反対になっています。 心拍数の式も一致していません。消費カロリーは体重や負荷の条件が記事ごとに違うため、そもそも並べて比べられる形になっていません。
3-3. 「20分以上でなければ効果がない」という条件は、公的ガイドには書かれていません
この論点については、厚生労働省のガイドが正面から扱っています。Q&Aの原文をそのまま引きます。
Q 1回の身体活動で「20分以上継続しなければ効果がない」などの最短持続時間や「週3回以上実施しなければ効果がない」などの最低限実施しなければいけない頻度はありますか?
A ありません。短い時間の積み重ねでも健康増進効果は得られます。また、週に1回でも健康増進効果があることが報告されています。個人のライフスタイルに合わせて、身体活動に取り組むことが大切です。
出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」「5 よくある疑問と回答(Q&A)」p.10(ガイド本体PDF)
同ガイドは参考として「身体活動量が1日10分多くなると疾病の発症リスクや死亡リスクが約3%低下すると推測されているのに対して、運動量が1日10分多くなるとそのリスクは約6%低下すると推測されている」とも記載しています。
上のQ&Aが述べているのは「健康増進効果」=疾病の発症リスク・死亡リスクについてです。脂質の酸化率や体脂肪の変化については何も述べていません。 したがって「20分未満でも脂肪が燃える」「20分未満でも体脂肪が減る」という主張の根拠にはできません。この引用から言えるのは、公的なガイドが最短持続時間・最低頻度という条件を示していないという事実までです。「20分以上で脂肪燃焼が始まる」という説そのものの真偽は、当サイトでは依然として判断できません。
3-4. 消費エネルギーは「メッツ」から推定できます
同じガイドには運動のメッツ表と消費エネルギーの推定式が収録されています。上位記事が出典なしで並べていた3.5/6.8といった数値の出所は、この表です。
| 運動 | メッツ |
| 自転車エルゴメーター(30〜50ワット) | 3.5 |
| 自転車エルゴメーター(90〜100ワット) | 6.8 |
| 自転車エルゴメーター(161〜200ワット) | 11.0 |
| サイクリング(約20km/時) | 8.0 |
推定式はガイドの脚注に次のように書かれています。
メッツとは、身体活動の強度を表し、安静座位時を1メッツとし、その何倍のエネルギーを消費するかという指標。身体活動によるエネルギー消費量(kcal)は、メッツ×時間(h)×体重(kg)で推定することが可能である。 例:歩行(3メッツ)を30分間、体重50kgの人が行った場合のエネルギー消費量は、3(メッツ)×0.5(h)×50(kg)=75kcalと推定できる
出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」参考資料「運動のメッツ表」p.40および脚注6・p.3(ガイド本体PDF)。同表は国立健康・栄養研究所改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」より改変されたもので、その原典は Ainsworth BE, et al.「2011 Compendium of Physical Activities: a second update of codes and MET values」Med Sci Sports Exerc, 43(8), 1575–1581, 2011年, PMID: 21681120(PubMed)です。
メッツ値はワット数と一体です。 「エアロバイクは6.8メッツ」という形で切り出すことはできません。90〜100ワットで漕いだ場合の値であり、自分の使っている機種がその出力を表示していなければ、どの行に当たるかを決められません。また推定式で出るのは推定値で、実際に測定した消費量ではありません。ガイドの表は原典(Ainsworth 2011)の改変版であり、原典の値と一致するとは限りません。エアロバイクの機種差・抵抗レベルとワット数の対応についても、当サイトでは資料を確認できていません。
3-5. 「220−年齢」には、それを検証した論文があります
上位3件が3通りの式(最大心拍数の65〜75%、60〜70%など)を出典なしで載せていました。このうち土台になっている「最大心拍数=220−年齢」については、妥当性を検証した論文が存在します。
コロラド大学ボルダー校の研究グループが、351件の研究・492群・のべ18,712名のデータを集めて解析し、さらに514名を実験室で実測して追試しています。
The age-predicted HRmax equation (i.e., 220 – age) is commonly used as a basis for prescribing exercise programs, as a criterion for achieving maximal exertion and as a clinical guide during diagnostic exercise testing. Despite its importance and widespread use, the validity of the HRmax equation has never been established in a sample that included a sufficient number of older adults.
(220−年齢の式は運動プログラムの処方などに広く使われているが、高齢者を十分に含む標本でその妥当性が確立されたことは一度もない、という趣旨)
得られた式は 208 − 0.7 × 年齢(相関係数 r = −0.90)で、実測による追試では 209 − 0.7 × 年齢 とほぼ同じでした。男女で差はなく、日頃の運動量による違いも見られなかったと報告されています。著者らの結論は「現在使われている式は、高齢者の最大心拍数を過小評価する」というものです。
出典:Tanaka H, Monahan KD, Seals DR「Age-predicted maximal heart rate revisited」Journal of the American College of Cardiology, 37(1), 153–156, 2001年(PubMed PMID 11153730)
上の論文が示したのは「最大心拍数を年齢から推定する式」であって、「最大心拍数の何%で運動すべきか」という強度の目安ではありません。 上位記事が載せていた「65〜75%」「60〜70%」といった目標の範囲については、当サイトでは根拠となる資料を確認できていません。 そのため本記事では示しません。
カルボーネン法についても同じです。 原典とされる論文(Karvonen MJ, Kentala E, Mustala O, Annals of Medicine and Experimental Biology Fenniae, 35(3), 307–315, 1957年)の実在は確認できましたが、抄録が収載されておらず本文も入手できていません。 式をこの文献の名前で紹介することはできません。
また上の論文で確認できたのは抄録の範囲までです。著者が挙げた限界や資金源までは確認できていません。対象は健康な成人であり、持病のある方には当てはまりません。
出典が示されていない数値を見かけたときは、どのサイトも同じ数値を書いているかどうかではなく、その数値の出どころが示されているかどうかを見てください。3-2の表のとおり、同じ数値が並んでいるわけでもありません。
4. では、何分・どのくらいの負荷でやるか
4-0. 公的ガイドが示している「量」
厚生労働省のガイドは、成人に対して次の推奨事項を示しています(原文の要旨)。
| 推奨事項 | 具体的な目安 |
| 強度が3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時以上 | 歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上に相当) |
| 強度が3メッツ以上の運動を週4メッツ・時以上 | 息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上 |
| 筋力トレーニングを週2〜3日(週4メッツ・時の運動に含めてもよい) | — |
| 座位行動(座りっぱなし)の時間が長くなりすぎないように注意する | — |
そのほか「個人差等を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む。今よりも少しでも多く身体を動かす」ことも推奨事項に含まれています。
出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」成人版の推奨事項(ガイド本体PDF)/推奨シート:情報シート (最終更新2024年2月22日)
3-4のメッツ表と組み合わせると、たとえば90〜100ワット(6.8メッツ)で漕ぐ場合、週4メッツ・時は約35分に相当する計算になります。ただしこれは推奨量に到達するための算術であって、その時間漕げばこういう効果が出るという意味ではありません。
このガイドは健康づくり(疾病の発症リスク・死亡リスクの低減)を目的とした公的推奨です。筋肥大や体組成の改善を目的とした処方ではありません。ガイド自身がQ&Aで「健康のためには、成人であれば必ず推奨事項を満たす必要がありますか?」に対し「ありません。健康増進のために望ましい身体活動量は人それぞれです。推奨事項はあくまでも目安と考えてください」と回答しています。
4-1. 自分に合う負荷は測って決めます
推奨される「量」は上のとおりですが、その量を漕げる負荷は借りてこられません。自分で測って決めることになります。当サイトが他の種目(サイドレイズ・ラットプルダウンなど)で採っているのと同じ考え方です。
- 時間を先に決めます。 「今日は◯分漕ぐ」と決めてから席に着きます。負荷から決めると、途中で降りることになりがちです
- 明らかに軽いと感じる負荷から始めます。 1回目は「これでは楽すぎる」と思うところで構いません
- 決めた時間を、ペースを落とさずに漕ぎ切れたかを確認します。 最後の1〜2分で回転数が落ちる、上体が左右に揺れる、サドルから腰が浮くようなら、その負荷は今の自分に対して重い側です
- 漕ぎ切れて余力があるときだけ、次回に1段階上げます
- 上げた結果フォームが崩れるなら、1段階戻します
この手順を踏むと、他人の数字ではなく自分で測った値を基準にできます。適正な設定は借りてくるものではなく、測定して出すものです。
4-2. 座る位置と器具の調整
負荷の設定と並んで確認しておきたいのが、体と器具の位置関係です。エアロバイクには調整箇所が複数あり、身長や脚の長さが違えば適切な位置も変わります。 前に使った人の設定のまま乗り始める前に、確認してください。位置が合っていないと、負荷を正しく設定しても漕ぎ続けられません。
以下は研究にもとづく基準ではなく、器具の構造と「決めた時間を漕ぎ切れるか」という条件から当サイトが整理したものです。
| 調整箇所 | 考え方 |
| サドルの高さ | ペダルが一番下に来たときに、膝が完全に伸び切らない位置。伸び切ると膝を押し込む形になり、低すぎると膝が深く曲がったまま回すことになります |
| サドルの前後位置 | 機種によって調整できます。ペダルが一番前に来たとき、膝がつま先より大きく前に出ない位置が出発点になります |
| ハンドルの高さ | 背中を丸めずに握れる高さ。手を伸ばし切らないと届かない位置では、上体が前へ引かれます |
| ペダルに乗せる位置 | 足の裏の土踏まずではなく、母趾球(親指の付け根の膨らみ)がペダルの軸の上に来る位置。かかとで踏むと足首が固定されません |
| 上体 | 骨盤を立てて座ります。左右に大きく揺れる場合は、サドルが高いか負荷が重い側です |
サドルの高さ・前後位置について、適正な角度や距離を数値で示した一次情報を、当サイトでは確認できていません。 上位記事では膝の角度を数値で示しているものがありましたが、いずれも出典が示されていませんでした。上の表は、器具の構造と「漕ぎ続けられるか」という条件から導ける範囲にとどめています。実際に数分漕いでみて、膝・股関節・腰に引っかかりが出ない位置を探してください。
4-3. 立ち漕ぎはしてよいのか
サドルから腰を上げて漕ぐ「立ち漕ぎ」は、スピンバイクのように前傾姿勢を取りやすい機種で行われることがあります。この動作の強度・筋活動・安全性を検証した資料を、当サイトでは確認できていません。 調べた上位記事6件も、立ち漕ぎを扱っているものは1件もありませんでした。
書けるのは、機種によって立ち漕ぎを想定していないものがあるという点までです。ハンドルとサドルの位置関係、フライホイールの重さ、フレームの安定性は機種で違います。取扱説明書または施設の掲示で、その機種が立位での使用を想定しているかを確認してください。
膝・股関節・腰に痛みや違和感がある場合、あるいは漕いでいる最中に出る場合は、負荷や姿勢の調整だけで無理に続けず、整形外科などの医療機関や専門家への確認が必要な場合があります。 また高血圧や心疾患などで運動を制限されている場合、開始前に主治医へ確認してください。本記事は一般的な情報提供であり、個別の症状に対する診断や治療方針を示すものではありません。
4-4. どんなときに中止するか(公的資料にある目安)
調べた上位記事6件のうち、運動を中止すべき状態に触れているものは1件もありませんでした。 厚生労働省のガイドには情報シートがあり、そこに目安が書かれています。
運動中に次の状態が出たら、直ちに中止することとされています。
胸痛・動悸・めまいやふらつき・強い空腹感やふるえ・いつもと違う強い疲れ・関節や筋肉の強い痛み・冷や汗などの体調の異変
血圧については、「収縮期血圧180/拡張期血圧110mmHgのときは運動を控えて休養」と示されています。
同じ情報シートは、確認のタイミングを5段階に分けています。①普段からの健康管理、②新たに運動を開始する前の基礎疾患の確認、③毎回の運動前の体調確認とウォームアップ、④運動中の体調確認、⑤運動後の体調確認とクールダウン。クールダウンは「5〜10分ほどのクールダウン(整理運動)として低・中強度の動的運動を継続」とされています。この情報シートはエアロバイクを名指ししていません。 負荷を落としてしばらく漕ぎ続ける形がこれに当たる、というのは当サイトの読み替えです。
出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:身体活動・運動を安全に行うためのポイント(執筆:平田昂大、小熊祐子/慶應義塾大学スポーツ医学研究センター。最終更新2024年3月19日。情報シート )
持病がある場合については、別の情報シートに次のように書かれています。
身体活動によって悪化する可能性のある合併症・運動器の痛みや変形がある場合があるため、事前に医師等の専門家に相談する。
このシートは、そもそも「定期的な健康診断や医療機関の受診、必要な治療が行われていることが前提」であるとも述べています。
出典:同ガイド 情報シート:慢性疾患を有する人の身体活動のポイント(執筆:小熊祐子/慶應義塾大学 スポーツ医学研究センター・大学院健康マネジメント研究科 准教授。最終更新2024年3月19日。情報シート )
これらは健康づくりを目的とした一般向けの情報であり、エアロバイクという特定の器具を対象に定められた基準ではありません。 また当サイトは医療機関ではないため、個別の可否を判断することはできません。該当する状態がある場合は、この記事ではなく主治医の指示に従ってください。
体重の管理には食事側の条件も関わります。タンパク質の摂取量についてはダイエット中のプロテインで、公的基準と解説サイトの数値が食い違っている点を含めて扱っています。
5. 筋トレとエアロバイク、どちらを先にやるか
同じ日にまとめて行うなら、筋トレを先にしてください。 順序を比較したメタアナリシスがあり、下半身の「動く力」の伸びについてのみ、筋トレを先にしたほうが有利という結果が出ています。
検索結果には「筋トレとエアロバイクはどっちが先がいいですか?」という質問が表示されますが、調べた上位記事6件のうち、この問いに答えている記事は1件もありませんでした。 以下は、その空白に対する当サイトの回答です。
5-1. 順序を比較したメタアナリシスの結果
同じセッションの中で筋トレと持久系運動を両方行った研究を集め、順序による差を解析したメタアナリシスがあります。10件の研究・のべ245名(平均年齢31±16歳)が対象で、5週間以上続けたプログラムに限って集計されています。対象者のうち6件は運動習慣のない人を扱った研究で、プロ選手を扱ったものは1件です。
「筋トレ→持久系」の順が、「持久系→筋トレ」の順と比べてどうだったかは次のとおりです(数値は加重平均差)。動的筋力は重りを動かす力、静的筋力は動かさずに力む力を指します。
横棒が0の線をまたいでいる項目は、「差があるとは言えない」という意味です。 差が出たのは動的筋力の1項目だけで、残り4項目は0をまたいでいます。同じ数値を表でも示します。
| 測った内容 | 差(筋トレが先) | 95%信頼区間 | p値 |
| 下半身の動的筋力 | +6.91% | 1.96〜11.87 | 0.006 |
| 下半身の静的筋力 | −0.04% | −3.19〜3.11 | 0.98 |
| 筋肥大 | +1.15% | −1.56〜3.87 | 0.40 |
| 最大酸素摂取量 | −0.27% | −2.74〜2.20 | 0.83 |
| 体脂肪率 | +0.68% | −0.97〜2.33 | 0.42 |
上半身の筋力は研究数が足りず解析できておらず、下半身のパワーも2件しかなく比較されていません。
出典:Eddens L, van Someren K, Howatson G「The Role of Intra-Session Exercise Sequence in the Interference Effect: A Systematic Review with Meta-Analysis」Sports Medicine, 48(1), 177–188, 2018年(PMC5752732の全文)
著者らは結論をこう書いています。
These results indicate that the practice of concurrent training with a resistance followed by an endurance exercise order is beneficial for the outcome of lower-body dynamic strength, while alternating the order of stimuli offers no benefit for training outcomes associated with the interference effect.
(筋トレを先に、持久系を後にする順序は下半身の動的筋力にとって有益である一方、順序を入れ替えても干渉効果に関連する他の成果に利点はない、という趣旨)
差が出たのは「下半身の動的筋力」だけです。 筋肥大では p=0.40 で差が示されていません。「筋トレを先にすると筋肉がつきやすい」とは、この研究からは言えません。
また、これは「同じセッションの中でどちらを先にするか」の話です。 別の日に分ける場合については、この研究は何も述べていません。
さらに重要な点として、この研究は有酸素運動の種類を分けて解析していません。 対象研究には自転車・ランニング・水中運動が混ざっており、「エアロバイクの場合はこうだ」と言える形にはなっていません。 言えるのは有酸素運動一般としての傾向までです。
著者らが挙げた限界も書いておきます。一部の項目で研究間のばらつきが中程度から大きく、結果に一貫性を欠く部分があること。英語の文献しか検索していないこと。出版バイアスの可能性を排除できないこと。そして対象の6件が未訓練者を扱った研究であり、高い強度で運動できないことが結果に影響した可能性は不明であること。下半身のパワーは2件しか研究がなく比較できなかったこと。研究資金はノーサンブリア大学から出ており、著者3名は利益相反がないと申告しています。
5-2. そもそも、組み合わせると筋トレの効果は落ちるのか
順序の前に「足すこと自体どうなのか」も気になるところです。ここには測っている対象が違う2つの研究があり、一見すると逆のことを言っています。両方を見てください。
ひとつ目は、有酸素運動の種類ごとに比較したネットワークメタアナリシスです。 40件の研究・841名(18〜45歳未満の健康な成人)を対象に、筋トレ単独と、4種類の有酸素運動を足した場合を比べています。
下の数値は、下半身の筋力について、筋トレ単独と比べたときの差(標準化平均差)です。
下2つ(中強度で長く続ける形)だけが0の線をまたいでいません。 高強度インターバルの2つは0をまたいでおり、筋トレ単独と差があるとは言えません。同じ数値を表でも示します。
| 筋トレに足した有酸素運動 | 筋トレ単独との差 | 95%信頼区間 |
| 高強度インターバル走 | −0.08 | −0.25〜0.08 |
| 高強度インターバル自転車 | −0.18 | −0.49〜0.13 |
| 中強度の持続ランニング | −0.25 | −0.46〜−0.05 |
| 中強度の持続サイクリング | −0.38 | −0.62〜−0.14 |
(標準化平均差は単位のない指標です。前の表の「+6.91%」のようなパーセントとは意味が異なるため、2つの表の数値を直接比べることはできません。)
出典:Chen Y, Feng X, Huang L, Wang K, Mi J「Comparative efficacy of concurrent training types on lower limb strength and muscular hypertrophy: A systematic review and network meta-analysis」Journal of Exercise Science and Fitness, 22(1), 86–96, 2024年(PMC10767279の全文)
中強度で30分を超えて漕ぐ形のサイクリングを筋トレに足した群は、筋トレだけの群より下半身の筋力の伸びが小さく、この差は統計的に有意でした(信頼区間が0をまたいでいません)。この研究で言う「中強度の持続的なサイクリング」は、1回30分超、最大酸素摂取量の46%超・最大心拍数の64%超・主観的運動強度12超のいずれかと定義されています。
一方で、筋断面積(筋肉の太さ)については、どの組み合わせも筋トレ単独と有意な差が示されていません。 中強度サイクリングを足した群も +0.07(95%信頼区間 −0.24〜0.38)で、信頼区間が0をまたいでいます。
この論文には SUCRA という「順位のつきやすさ」を表す指標も載っており、筋断面積では中強度サイクリングを足した群(63.8%)が筋トレ単独(47.1%)より上位に来ます。しかしこれは順位の確率であって、効果があったという意味ではありません。 実際の差は上記のとおり有意ではありません。
この点は、AIによる論文の要約が「サイクリングを足すと筋断面積の増加に有効」と誤って伝えていた箇所です。 当サイトで原文にあたって確認し、訂正しています。要約だけを見て判断すると、結論が逆になります。
ふたつ目は、筋線維1本の太さを測った研究です。 15件・300名を対象に、併行トレーニングと筋トレ単独を比べています。全体では併行トレーニング側がわずかに小さい(標準化平均差 −0.23、95%信頼区間 −0.46〜−0.00、p=0.050)という結果でした。信頼区間の端も p値も、差があるかないかのちょうど境目にあります。 ただし種類別に見ると、遅筋線維で差が出たのはランニングの場合(−0.81、95%信頼区間 −1.26〜−0.36)で、サイクリングでは差が観察されませんでした。
出典:Lundberg TR, Feuerbacher JF, Sünkeler M, Schumann M「The Effects of Concurrent Aerobic and Strength Training on Muscle Fiber Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis」Sports Medicine, 52(10), 2391–2403, 2022年(PMC9474354の全文)
ひとつ目は「筋力と筋肉全体の太さ」を、ふたつ目は「筋線維1本の太さ」を測っています。測った対象が違います。
ふたつ目の著者自身が「線維レベルの差が、必ずしも筋肉全体の肥大の差になるとは限らない」と明記しています。またこの研究でランニングについて解析できたのは3件のみで、著者は「予備的な根拠」と表現しています。筋線維の測定は変動係数13%とばらつきが大きく、組み入れ研究の質も中程度(PEDroスコア平均4.3)です。
どちらか片方だけを引いて「エアロバイクは筋トレの邪魔をする/しない」と断定することはできません。
5-3. 以上をふまえて、実務的にどうするか
- 同じ日に両方やるなら、筋トレを先にする。 下半身の動的筋力について、これを支持するメタアナリシスがあります(5-1)
- 筋力を伸ばすことが第一の目的なら、上で定義された「中強度で30分超」の形を組み合わせることが、筋力の伸びを小さくする可能性があります(5-2)。ただし筋肉の太さについては、有意な差は示されていません
- 健康づくりが目的なら、組み合わせること自体は公的ガイドが勧めています。 情報シートは「筋トレと有酸素性身体活動を組み合わせるとさらなる健康増進効果が期待できる」と述べ、根拠として18〜98歳を対象としたコホート研究の系統的レビュー・メタ解析を挙げています。そこでは筋トレを実施している群は、有酸素性の身体活動量に関わらず、総死亡および心血管疾患・全がん・糖尿病・肺がんの発症リスクが10〜17%低いと報告されています(出典は第1節と同じ情報シート)
- 第1節のとおり、エアロバイクは公的ガイドが推奨する筋トレの形(全身の大きな筋群にまんべんなく)とは違います。 「バイクで下半身を済ませる」という組み方は、ガイドが勧めている形には当たりません
ネットワークメタアナリシス(5-2のひとつ目)の対象は18〜45歳未満の健康な成人で、女性は被験者の20%しかいません。 著者自身がこれを一般化の限界として挙げ、「研究数が少ないため、結論は慎重に扱わなければならない」とも明記しています。順序のメタアナリシス(5-1)は平均年齢31±16歳です。筋線維の研究(5-2のふたつ目)については、論文に性別・年齢の詳細が記載されていません。
高齢の方、女性、持病のある方にそのまま当てはまるとは限りません。
トレーニング全体の組み方については、ジムの筋トレメニューは「器具」から決めるで器具別・部位別に整理しています。
6. 店舗に置いてある自転車型マシンは1種類ではありません
「エアロバイク」と一括りにされがちですが、実際の店舗に並んでいるのは構造の違う別々のマシンです。 上位記事でも用語が混用されていました。
横須賀衣笠店に設置しているものを、実物で確認しました(2026年8月時点)。

| 実物 | 構造の特徴 |
| エアバイク | 前輪部分が大型のファンになっていて、その風の抵抗が負荷になります。ハンドルが前後に動き、ペダルと連動して腕も押し引きします |
| スピンバイク | 「SPINNING」ブランドの車体。ハンドルとサドルの調整幅が広く、前傾姿勢を取りやすい形。上部に赤い緊急停止ノブがあります |
| NordicTrack のスタジオバイク | 大型のタッチスクリーンを備え、走行コースの映像が流れます。ハンドル脇に「POWER INCLINE −10% TO 20%」の操作パネルがあり、車体そのものが前後に傾きます |
エアバイクはハンドルが動くため、第2節で書いた「上半身は保持するだけ」という説明が当てはまりません。
NordicTrack の傾斜機構は、一般的なアップライト型のエアロバイクにはない機能です。 「エアロバイクの効果」を調べて来られた方が、そのまま同じものとして扱えるとは限りません。
ただし、この3つの間で消費エネルギーや筋活動を比較した資料は、当サイトでは確認できていません。 構造が違うという事実までが、本記事で書ける範囲です。「どれが一番効く」とは書けません。
なお機種の型番・年式・抵抗レベルの段数は未確認です。写真で構造を確認した段階の情報として読んでください。
「エアロバイク」はコナミスポーツクラブの登録商標です(同社のページでは®付きで表記されています)。一般名称としては「フィットネスバイク」「エルゴメータ」等が使われます。本記事では検索されている語として「エアロバイク」を用いていますが、器具の分類名として使っているわけではありません。
設置している器具の一覧はトレーニングマシンの種類にまとめています。ハンドルを持って上半身も動かす形のクロストレーナーも、構造の異なる別の器具です。
7. よくある質問

- エアロバイクは筋トレになりますか?
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厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023は、筋トレの実施方法として「胸、背中、上肢、腹、臀部、下肢などの大きな筋群に負荷がかかるような筋トレを全身まんべんなく行いましょう」と示しています。エアロバイクは下半身のペダリング動作なので、この推奨の形とは違います。ただしこのガイドは「筋トレとは何か」を定義した文書ではないため、「定義から外れる」とは言えません。 エアロバイクによる下肢筋の変化を測定した資料も確認できていません。
- エアロバイクは何分やればいいですか?
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同ガイドは成人に対し「3メッツ以上の運動を週4メッツ・時以上(息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上)」を推奨しています。メッツ表の自転車エルゴメーター(90〜100ワット)は6.8メッツなので、週4メッツ・時は約35分に相当する計算になります。ただしこれは健康づくりを目的とした推奨で、ガイド自身が「推奨事項はあくまでも目安」と明記しています。
- エアロバイクは毎日やっても大丈夫ですか?
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同ガイドのQ&Aは「週3回以上実施しなければ効果がない」といった最低頻度の条件を否定しており、上限の頻度についても述べていません。上位記事の推奨は「毎日は避けて週1〜2日休む」と「毎日30分」で正反対に分かれており、どちらも出典がありません。当サイトでは毎日実施の可否を判断できる資料を確認できていません。
- エアロバイクで何kcal消費しますか?
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ガイドの推定式(メッツ×時間(h)×体重(kg))で推定できます。たとえば体重60kgの人が90〜100ワット(6.8メッツ)で30分漕いだ場合、6.8×0.5×60=204kcalという推定値になります。ただしこれは推定値であって実測値ではなく、ワット数の条件と一体の数値です。抵抗レベルとワット数の対応は機種によって異なり、当サイトでは資料を確認できていません。
- 20分以上漕がないと脂肪が燃えないというのは本当ですか?
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ガイドのQ&Aは「1回の身体活動で『20分以上継続しなければ効果がない』などの最短持続時間はありますか?」に対し「ありません。短い時間の積み重ねでも健康増進効果は得られます」と回答しています。ただしこれは疾病発症リスク・死亡リスクという「健康増進効果」についての記述で、脂質の酸化率や体脂肪の変化には言及していません。「20分未満でも脂肪が燃える」の根拠にはなりません。公的なガイドが最短持続時間の条件を示していない、というところまでが確認できる範囲です。
- 筋トレとエアロバイク、どちらを先にやるべきですか?
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同じ日にまとめて行うなら、筋トレを先にしてください。 同一セッション内の順序を比較したメタアナリシス(10研究・245名)で、筋トレを先にした側が下半身の動的筋力で+6.91%(95%信頼区間 1.96〜11.87、p=0.006)有利という結果が出ています。ただし差が出たのはこの項目だけで、筋肥大(p=0.40)・静的筋力・最大酸素摂取量・体脂肪率では差が示されていません。またこの研究は有酸素運動の種類を分けて解析していないため、「エアロバイクの場合」と限定しては言えません。別の日に分ける場合についても述べられていません。詳しくは第5節をご覧ください。
- エアロバイクをやると筋トレの効果が落ちますか?
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筋力については、落ちる可能性を示した研究があります。 40研究・841名のネットワークメタアナリシスで、中強度で30分を超えて漕ぐ形のサイクリングを筋トレに足した群は、筋トレだけの群より下半身の筋力の伸びが小さく(−0.38、95%信頼区間 −0.62〜−0.14)、この差は有意でした。一方、筋断面積については、どの組み合わせも筋トレ単独と有意な差が示されていません。 さらに筋線維1本の太さを測った別の研究では、遅筋線維で差が出たのはランニングの場合で、サイクリングでは差が観察されませんでした。 測っている対象が違うため、これらは矛盾していません。ネットワークメタアナリシスの対象は18〜45歳未満の健康な成人で、女性は2割にとどまります。筋線維の研究のほうは、性別・年齢の詳細が論文に記載されていません。
- エアロバイクで脚は太くなりますか?
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当サイトでは、エアロバイク単独で下肢の筋断面積・周囲長がどう変わるかを測定した資料を確認できていません。 上のQで挙げた研究は、いずれも筋トレと組み合わせた場合を調べたもので、そこでは筋断面積に有意な差が示されていません。エアロバイクだけを行った場合については、太くなるとも太くならないとも言えません。
- 運動を中止したほうがよいのは、どんなときですか?
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厚生労働省のガイドの情報シートは、「胸痛・動悸・めまいやふらつき・強い空腹感やふるえ・いつもと違う強い疲れ・関節や筋肉の強い痛み・冷や汗などの体調の異変」があれば直ちに中止するよう示しています。血圧については「収縮期血圧180/拡張期血圧110mmHgのときは運動を控えて休養」とされています。これらは一般向けの目安であり、当サイトは医療機関ではないため個別の可否は判断できません。該当する場合は主治医の指示に従ってください。
- 膝が痛くなります。
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使用を中止し、整形外科などの医療機関への確認を検討してください。サドルの高さや負荷の調整で改善するとは限りません。本記事は一般的な情報提供であり、個別の症状に対する判断を示すものではありません。
本記事で「上位記事」と書いている箇所は、2026年8月13日時点でGoogle検索(日本)の上位に表示されていた記事を指します。検索結果は日々変動するため、現在の表示順とは異なる場合があります。
8. まとめ
- 公的ガイドが推奨する筋トレの形とは違います。 厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023は「胸、背中、上肢、腹、臀部、下肢などの大きな筋群に負荷がかかるような筋トレを全身まんべんなく」と示しており、下半身のペダリングはこの形に当たりません。ただしガイドは筋トレを定義した文書ではないため「定義から外れる」とは言えず、下肢筋の変化を測定した資料も確認できていません。
- 量の目安は公的ガイドから出せます。 3メッツ以上の運動を週4メッツ・時以上(息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上)。メッツ表の自転車エルゴメーター(90〜100ワット)は6.8メッツです。メッツ値はワット数の条件と一体なので、切り離して使えません。
- 「20分以上でなければ効果がない」という条件は、公的ガイドが否定しています。 ただしそれは疾病リスク・死亡リスクという意味での「健康増進効果」についての記述で、脂肪燃焼については何も述べていません。「220−年齢」については妥当性を検証した論文があり(208−0.7×年齢、高齢者では過小評価する)、第3節で示しました。ただし「最大心拍数の何%で漕ぐか」という目標の範囲は根拠を確認できていないため、書きません。
- 同じ日に両方やるなら、筋トレを先にします。 順序を比較したメタアナリシスで、下半身の動的筋力に+6.91%(p=0.006)の差が出ています。ただし差が出たのはこの項目だけで、筋肥大では差がありません。 また筋力を伸ばすことが第一の目的なら、中強度で長く漕ぐ形を大量に足すと筋力の伸びが小さくなる可能性が、40研究841名の解析で示されています(筋断面積では有意差なし)。
- 設定は測って決めます。 時間を先に決め、明らかに軽い負荷から始めて、決めた時間をペースを落とさずに漕ぎ切れるところを探します。漕ぎ切れて余力があるときだけ1段階上げます。胸痛・動悸・めまい・冷や汗などが出たら直ちに中止してください(第4節に公的資料の目安を載せています)。
- 「エアロバイク」と呼ばれるものは1種類ではありません。 当店(横須賀衣笠店)に置いてあるのは、ハンドルが動くエアバイク、スピンバイク、車体が前後に傾くNordicTrackのスタジオバイクの3種類です(2026年8月時点、実物で確認)。エアバイクは腕も押し引きするため、「自転車型は下半身だけ」という説明が当てはまりません。 ただしこの3つを比較した資料は確認できていないため、優劣は書けません。
